みなさん、こんにちは。FMヨコハマ「ザ・モーターウィークリー」のDJ&モータージャーナリストの高橋アキラです。
高橋のSNSで韓国取材に出かけていたのをチェックされた人もいると思いますが、その時の話がようやく解禁されました。
6月の末に出かけたのですが、そうか、もう約2ヶ月経ちますね、そこであるクルマの試乗会があって、参加してきました。
写真を見てもわかるようにマスクされたクルマで外観、インテリア全部隠されてます。わかっているのはスモールコンパクトのEVという情報だけ。そして日本に輸入されるのか?それも未定となっています。
さらに韓国のことってじつはあまり知らなくて、ニュースや新聞報道で嫌韓になっていきます。でも若い世代を見るとコスメや美肌、音楽、ダンスなど、美容・エンタメの世界では距離が近いですよね。これ、逆もあって韓国の若い世代は日本が大好きなんですよ。
ということでこれから数回、韓国のクルマ事情を踏まえた情報をお伝えしていきますね。
まずは、謎のクルマです。
ヒョンデのA+セグメントサイズのコンパクトハッチバックEV「インスター」です。じつは、インスターは韓国国内では「キャスパー」の名前で親しまれており、エンジン車はすでに販売されていて、EVモデルが追加されました。
インスターのスペック(韓国仕様)は全長3.823m、全幅1610mm、全高1575mm、ホイールベース2580mmで4名乗車。同等クラスとしてはスズキ・クロスビー、かつてのトヨタ/ダイハツのパッソ/ブーンあたりで、輸入車だとフィアット500、パンダといったところ。
バッテリー容量は標準車が42kWh、ロングレンジが49kWhの2タイプで、モーターは標準車が71.7kW/147Nm、ロングレンジは84.5kW/147Nmというスペックで、0-100km/h加速は標準車が11.7秒、ロングレンジは10.6秒となっています。バッテリーが大きい方がパワーがあって、加速もいいと。
じつはこの試乗日の翌々日に釜山モビリティショーがあって、そこでキャスパーEVのワールドプレミアが行われました。なので、試乗中はデザインのことが全くわからなかったのですが、2日後にはわかったというオチがあります。
ということで、デザイン関連不明の状態で、インスターEVのハンドリングや乗り心地、そしてアクセルレスポンスや加速フィールを体感しました。
じつは韓国人はアメリカン志向な人も多く、クルマに求める乗り心地はアメ車の方向に向いているというのです。これは意外かもしれませんが。アメ車のリビングソファのようにゆったりとしたものを好む傾向があるといいます。たしかにスモールコンパクトでありながらインスターはゆったりとした乗り心地でした。
この乗り心地は、韓国仕様のままでも日本で受け入れられると個人的には感じています。ストローク感のあるサスペンションは乗り心地で優位であり、高速道路でも直進の座りもよく、ボディ剛性によるしっかり感も同時に感じることができます。
韓国では人が大きく行き交う場所では、スピードを落とすための凸凹の障害物を路面に設置している場所が多く、乗り越える際にロングストロークであることを感じます。インスターのゆったりした印象はこのサスペンションがもたらす乗り心地というわけですね。ただ、タイヤが硬めで乗り心地への影響があるのは、少し気になる点でしたが、細かすぎるチェック。
一方で、アクセルレスポンスはEVらしい俊敏さがあり、エンジン車では味わえない瞬発力と反応が楽しめます。こうしたアジリティを考えるとドイツ車的な剛性感のあるスポーティな仕様が似合うかもしれませんが、目指すのは便利で使い勝手のよい日常使いにマッチするモデルという位置付けなので、韓国仕様をそのままでいいと考える理由です。
試乗は韓国の高速道路と一般道を80kmほど走行し約2時間試乗し、静粛性も十分あり、クラスを超える静粛性はEVならではの特徴だと感じ、ハンドルの操舵感は軽くだれもが運転しやすいと感じるでしょう。
スモールコンパクトカーカテゴリーの使い勝手を振り返ってみれば、日常使いがメイン。日本では通勤、通学、買い物、送り迎えといった短距離移動をガソリン車で行なっていますが、EVに置き換えてみるのはどうだろうか。短距離移動であれば電池切れの心配はなく、逆にEVでしか味わえないレスポンスの気持ちよさや静粛性があるわけで、環境が揃えば検討する価値は高いと感じた試乗会でした。
提供・AUTO PROVE
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