■行方不明から14カ月半後に歩いて“帰宅”
デニス君の謎の行方不明事件と対照的なケースが1978年2月19日にミシガン州ミシガン湖畔で行方不明になったスティーブン・クバッキ氏(当時24歳)の事件である。
クバッキ氏は趣味のスノートレッキングを楽しみにこの地を訪れていた。冬の間、ミシガン湖のこの一帯は水面が凍りつき氷上でのトレッキングが楽しめるのだが、行方不明者の多さから“ミシガン・トライアングル”とも呼ばれる魔の三角域であった。
スキーに出かけたきり帰宅しない息子を心配した家族は、地元当局に捜索願を出す。捜索隊は湖畔にクバッキ氏のスキー板とポールを発見。さらにスキーを外した後の彼の足跡も確認したが、その後の行方を突き止めることはできなかった。割れた氷の下に沈んで流されたケースも当然考えられたが、見たところ一帯には氷が割れた箇所はなかったということだ。
捜索隊による精力的な捜索が行われたにもかかわらず残念ながら未解決事件(コールドケース)扱いとなり捜索は中止されたのだが、その後に意外過ぎる顛末が待っていた。なんと行方不明から丸14カ月以上が過ぎた1979年5月5日、クバッキ氏は父の実家に帰宅したのである。
クバッキ氏の話を整理すると、帰宅する前に、この父の家から約64キロ(40マイル)離れた牧草地に寝転んだ状態で目が覚めたのだという。そして、まず自分のものではない服を着ていることに気づき、そばには全く見覚えのない肩掛けカバンと地図があったというのだ。後から調べてみると、その牧草地は、行方不明となったミシガン湖から1127キロ(700マイル)も離れていた。そして、クバッキ氏には目覚める前の記憶が一切ないのであった。
クバッキ氏の精神状態にはまったく問題はないのだが、とにかくこの“空白期間”について話せることがまったくないのだと訴えるに終始している。ちなみにこの後、クバッキ氏は学問に励み、1983年には言語学の修士号と臨床心理学の博士号を取得した。
まるで何者かがクバッキ氏の14カ月半の記憶を完全に消し去ったかのようにも思える事件であり、本人が無事のままであるだけにさらに難解さを深めている。ミシガン湖を含む五大湖の周辺にはUFOやUMAの目撃報告も多く、その意味では何かと疑惑の多いエリアでもある。アメリカで多発するこうしたミステリアスな行方不明事件に新たな解明の糸口が見つかることを期待したい。
※当記事は2019年の記事を再編集して掲載しています。
提供元・TOCANA
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