ウイルス監視の強化が急務
ホームズ氏が最も懸念しているのは、「アブラコウモリHKU5様ウイルス」である。このウイルスは、これまでコウモリから検出されていたが、飼育下のミンク2頭の肺から発見された。これは、人間にとって致命的な可能性のある中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスと近縁である。シドニー大学教授であるホームズ氏は、「コウモリから飼育下のミンクに飛び移ったことが確認された今、これは警鐘となるべきだ。このウイルスは監視する必要がある」と述べている。
野生動物の間では、未知のウイルスが何千種類も生息・拡散しているとみられている。科学者たちは、毛皮農場によって飼育動物がそのようなウイルスに感染し、それが人間に感染する可能性を懸念している。COVID-19の起源に関する有力な説は、コウモリで発生し、野生動物との接触により人間に感染したというものである。ホームズ氏は、「野生動物との接触がSARS-CoV-2の出現の原因となったと強く信じている」と述べている。「そして、関連する毛皮取引が、新たなパンデミックを引き起こす可能性は十分にあると考えている」と付け加えた。
今回の研究で、研究者たちは、毛皮農場で飼育されている動物、特に「リスクの高い」ウイルスが最も多く記録されたミンク、タヌキ、モルモットの監視を強化するよう呼びかけている。デンマークは、2020年にCOVID-19の懸念から、飼育されているミンクをすべて処分したが、その後、一定の条件下でミンク飼育を再開することを許可している。
今回の研究結果は、人類と野生動物の接点である毛皮産業が、新たな感染症のリスクを高めている可能性を示唆している。パンデミック予防には毛皮産業や野生動物取引の規制や監視が鍵となるかもしれない。
提供元・TOCANA
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