2019年に報道された「老後資金2,000万円問題」。あれからもう、5年が経過しようとしています。2,000万円、実は「普通」に貯めている人がいることをご存知でしょうか。
実際、夫婦2人暮らしなど二人以上世帯の約19%が金融資産保有額が2,000万円以上であることがわかっています。
今回は、老後資金2,000万円を「普通に」貯められる人の特徴を3つ紹介します。
どれも何でもない、ありがちな習慣や行動です。しかし、普通にお金を貯められる人は、そういった習慣・行動に「仕組み化」など、少しだけ違うエッセンスを加えているのでぜひ参考にしてください。
※参照:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
普通にお金を貯める人の特徴1:目標意識を持っている+「仕組み化」
老後資金2,000万円を普通に貯めるには目標意識を持つこと、プラスアルファで「仕組み化」 することがポイントです。
老後資金に限らず、貯金をするためには「いつまでに〇円貯める」という目標がないと難しいのも事実です。生活費から余った金額を貯蓄しようと思ってもなかなか難しいので、先取り貯金を心がけ、毎月一定額は貯金に回すなどルール作りをしましょう。
意志に頼らず、「仕組み化」 したほうがきっと貯まりやすくなるはずです。
普通にお金を貯める人の特徴2:20代・30代からコツコツ貯蓄+「無理はしない」
「老後」なんて想像もつかない20代30代のうちから、コツコツ貯蓄すること、プラスアルファで「無理のない金額に設定すること」 これも、2,000万円を普通に貯めるためのポイントです。
20代、30代など早い段階からコツコツ貯蓄していくのも、老後資金のためには重要です。「40年かけて2,000万円貯める」のと「20年かけて2,000万円貯める」のとでは、どちらが大変かは一目瞭然でしょう。なるべく早い段階からスタートするに越したことはありません。
ポイントは「毎月1万円」など、無理のない範囲で取り組むこと。携帯料金など固定費と同様、「当然かかってくるもの」と位置付けておけば、自然と継続できます。
仮に、新NISAで25歳から毎月1万円ずつ積み立てれば、45歳には利益が127万円、資産額は367万円になります(利回り4%)。子どもの手が離れたところで少しずつ老後資金に回す額を増やしていけば、65歳までに2,000万円は決して夢ではありません。
普通にお金を貯める人の特徴3:NISAやiDeCoを活用+「銘柄浮気しない」
老後資金を2,000万円貯めている人は、預貯金だけではなく、NISAやiDeCoなどの資産運用を活用していることが多いです。
プラスアルファの傾向として「銘柄を少数にしぼっている」 ことが挙げられます。
特に投資家や専門家でない「普通の」人の場合、適切な投資判断ができず、リスクが高まる可能性があるからです。長期間の積み立て投資で数千万円の資産を形成する人は、S&P500とオルカン2本だけ、という人も珍しくありません。
マイルールを決めれば2,000万円は普通
老後資金2,000万円は当たり前の習慣・行動に、仕組み化などちょっとしたマイルールを加えることで「普通に」実現できます。毎月5,000円からでも良いので、できる範囲で始めてみてください。
ある程度貯まってきたら一部を資産運用に回し、効率的に増やすことも考えましょう。NISAやiDeCoも毎月5,000円あれば始められるので、勉強もかねて積極的にチャレンジするのをおすすめします。
文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー)
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。
(2024年06月07日公開記事)