今日のクジラを見ると、かつてこの生き物が陸を歩いていたとは想像もつきません。

しかし、数千万年前のクジラは、4つ足の大型犬ほどのサイズで、地上を歩き回っていたのです。

デンマーク自然史博物館(Natural History Museum of Denmark)の生物学者であるマーク・D・シェルツ氏はこのほど、その名残を示す衝撃的なクジラの解剖写真を2021年にX(旧Twitter)上で公開しています。

なんとクジラのヒレの中には、陸上時代を思わせる「5本指の手」が入っているのです。

※以下に写真を掲載しています。かなり生々しいので、苦手な方はご注意ください。

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  • 5本指は陸上時代の名残り?

5本指は陸上時代の名残り?

こちらが、シェルツ氏のポストです。

ポストには「クジラのヒレから指の間の肉を取り除くと、こんな感じです。5本指の生えた手がいまだに保持されているのが驚くほどわかります」と書かれています。

シェルツ氏によると、このクジラはデンマーク海域の浜辺に打ち上げられた個体で、おそらく、北大西洋に分布する「ヨーロッパオウギハクジラ(学名:Mesoplodon bidens)」であるとのこと。

より希少な「ヒガシアメリカオウギハクジラ(学名:Mesoplodon europaeus)」との識別が困難ですが、こちらはデンマーク海域で観察された例がないため、ヨーロッパオウギハクジラと見て、まず間違いないようです。