「エンジン車は必ず残る」

 こうした状況を予測していたかのようなトヨタの姿勢が今、改めて注目されている。マツダが30年までに全販売に占めるEVの比率を25〜40%に、ホンダは40年までにEV・燃料電池自動車(FCV)販売比率をグローバルで100%に、日産自動車は欧州市場において26年度における電動車両の販売比率を98%にする方針を決定するなど、日本勢もEVに前のめりになるなか、トヨタはEV普及に懐疑的な姿勢を見せてきた。26年までに世界で年間150万台のEVを販売するとの目標を公表しているものの全方位戦略を維持しており、豊田章男会長は1月の講演で「いくらBEV(バッテリー式電気自動車)が進んだとしても市場シェアの3割だと思う」「エンジン車は必ず残る」と語るなど、EVへの過度な期待を避けている。

「利便性やコストの面に加え、原材料のレアアースなど鉱物資源の採掘地が一部の途上国に偏ることで過度の資源調達競争が起きる懸念も指摘されている。すでに大手メーカーのなかにも調達が難航するところも出ている。資材発掘や発電まで含めたトータルの製造コストの高さや環境負荷の高さからも、トヨタとしては『経済原理に照らし合わせて、そのような車が世界の主流にはなり得ない』という判断だったのでは。さすがというか、恐ろしいほどの先見の明だろう」(自動車業界関係者)

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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