自分の口座を適切に管理できていない人は意外と多いようです。今回は、なくてはならない「銀行口座」について、普段あまり意識しないけれど絶対にやってはいけないNG行為を解説します。「知らぬ間に手数料や税金をとられていた」とならないように、しっかりチェックしてください。
NG行為1:予想されやすい暗証番号にする
暗証番号を決める際にやってはいけないことの1つが「予想されやすい番号にする」ことです。
生年月日や電話番号の一部、連番や同じ数字を並べたものは推測されやすいため、トラブルに巻き込まれるリスクも上がります。
実際のところ、新規で暗証番号を決める際にこのような番号を指定しようとしても、エラーメッセージが出て変更するよう促されるはずです。万が一、推測されやすい暗証番号を使い続けているなら、すぐに変更するのをおすすめします。
NG行為2:利用していない銀行口座を放置する
利用していない銀行口座を放置するのはおすすめできません。近年、2年以上取引がない「未利用口座」は口座管理手数料を取られるようになりました。さらに10年以上利用がないと、その口座の預金は「休眠預金」となり、民間公益活動などに活用されます。休眠預金は、手続きすれば引き出すことができますが、窓口での本人確認が必要になり、手間となるでしょう。
また、放置したまま管理していないと、不正利用に気づかないリスクがあります。。使う予定がないならすぐにでも解約するのをおすすめいたします。
NG行為3:名義貸しを行う
「口座開設を代行する」「使っていない銀行口座の通帳やキャッシュカードを貸す代わりに謝礼をもらう」などの行為は、持ち掛けられても絶対に応じてはいけません。口座の名義貸しや銀行口座の売買は、罰金や懲役などの刑罰の対象になるため要注意です。
また、「名義貸し」とは異なりますが、子どものためにお金を貯めるときも、できれば最初から子ども名義の口座を作ったほうが良いでしょう。銀行口座の名義を親から子どもへ変更すること自体はできますが、やり方次第では亡くなった際に相続税の対象となる可能性が出てくるためです。
ただし、子供名義で作った口座を、子どもが成人してから渡すときに注意が必要です。子ども名義であったとしても、子どもが未成年であり、通帳やキャッシュカードを管理しているのが親だった場合は実質的に親のものとされます。子どもが成人してからその貯金を渡すとき、「親が貯めたお金を子どもにあげる」とみなされるため、残高が110万円以上だった場合に贈与税がかかってしまいます。
知らず知らずNG行為をやっている可能性も
私たちの普段の生活と密接に関わっている銀行口座ですが、無意識でNG行為をしている人もいるかもしれません。手数料や税金をとられるなど、知らないうちに損をしている可能性もあります。今一度自分の口座にはしっかりと責任を持って、お金の管理について見直してみてはいかがでしょうか。
文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー)
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。