ローマ字の弊害と「JISかな入力」のメリット

意外と知らない、キーボードの「かな入力派」はいまでもどれくらい存在しているのか
(画像=『オトナライフ』より引用)

2020年度情報処理学会関西支部支部大会で発表された論文「かな入力再考」によると、米津玄師さんの代表曲「Lemon」の歌詞を入力した際の打鍵数はローマ字入力が「1098字」なのに対し、かな入力は「660字」だったのこと。つまり、かな入力はローマ字入力と比べて打鍵数が60%で済みます。

また、ローマ字の場合は綴り方が多数存在しています。たとえば「ライオン」だとローマ字だと「raion」ですが、英語だと「lion」。同じアルファベットであるにもかかわらずまったく違う入力方法になるため、アルファベットで入力しているにもかかわらず英語の正しいスペルを覚えることにつながらず、覚えにくさを感じる人もいるのではないでしょうか。

ならば「日本語はかな入力」「英語はQWERTY配列で入力」とシンプルに分けてしまえば良い、という考え方もできるでしょう。日本語の入力効率だけを考えるならば、JISかな入力には優位性も確かにあります。

とはいえ「かな入力」が再度人気になるのは難しい可能性も

ローマ字の弊害はあるにせよ、残念ながら今後、1990年時点のようにかな入力が再度広く普及する可能性は低いでしょう。その理由のひとつは小学校でプログラミングの授業が必修化されたり、英語のタイピングスキルも重要視される時代において「JISかな入力」が再度主流になるのは難しいことが挙げられます。

プログラミング必修化を受けて、パソコンの授業では「プログラミング」が重視される傾向が強まっています。そしてWebサイトやアプリケーションのソースコードでは「英語」が多く使われているため、QWERTY配列を覚えることの優先度が子どもたちにとってもますます上がっています。

JISかな入力の学習を後回しにするならば、国語で覚える「ローマ字」の知識との組み合わせで入力しやすい「ローマ字入力」の方が子どもたちにとってはやはり覚えやすいでしょう。

とはいえ、JISかな入力は「日本語入力のスピードをさらに高めたい」方にとっては多少の学習コストを費やしてでも覚える価値がある入力方法ではあります。一部の層から熱狂的に指示される入力方法として、一定のシェアはキープし続けるかもしれません。

文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ

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