「得意を伸ばし、不得意をリカバリーする」
ADHDやASDといった発達障害を持つ人は仕事をしていく上で、さまざまな困難を抱えます。ほとんどの人が努力をすればすぐに改善できそうなことですが、発達障害の人にはどうしても難しいのです。
「発達障害・グレーゾーンかもしれない人の仕事術」(中村郁/かんき出版)
[本書の評価]★★★★(80点)
【評価のレべリング】※ 標準点(合格点)を60点に設定。 ★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点 ★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満 ★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満 ★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満 ★ 「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
好きなことならとことん没頭する。これは発達障害の一つの特性です。中村さんも何かを好きになると徹底的に追いかける癖があるそうです。
「私は若い頃、サッカーが大好きでした。関西のJリーグチームの試合は時間が許す限り見に行き、休みの日には練習場にまでかけつけていました。サッカーに関する仕事がしたいと毎日願い、周りにも言いふらしていた結果、ある日、大好きなチームの選手とのトークショーの仕事が舞い込んできました」(中村さん)
「しかし、私は臨機応変に対応することが非常に苦手でした。一人粛々とマイク前で読むナレーションとは違い、司会やトークなどの仕事は不得手です。当日、私の司会はグダグダ。トークも決してうまくいったとは言えませんでしたが、イベントは盛り上がり成功しました。成功したのは、ゲストの選手のお陰でした」(同)
不器用な中村さんを見て、選手がその場を仕切ってくれたのです。プロの司会としては失敗ですが、仕事としたと中村さんは言います。