ロシア、シベリア――。広大な凍土に覆われたこの地は、人類にとって未だ多くの謎が残る秘境だ。ツングースカ大爆発をはじめとする不可解な現象の数々、伝説として語り継がれる失われた文明、そして後を絶たないUFO目撃情報…。なかでも、人々の侵入を拒むかのように存在するのが、ヤクーツク地方に広がる「死の谷」と呼ばれる危険地帯である。足を踏み入れた者は生きては帰れないという、不吉な噂が絶えないこの場所には、古くから奇妙な金属球が存在するという。地元の人々にとって、「死の谷」は恐怖の対象であり、禁断の地として語り継がれてきた。

「死の谷」と呼ばれる所以は、その地に入った者が原因不明の死や病気に見舞われるという言い伝えから来ている。その起源は定かではないが、古代よりタイガの悪魔が住む地として、人々は決して近寄ろうとはしなかった。

 1853年には、探検家R. Maakがその森の奥深くで巨大な銅製の釜を発見したという記録が残されている。地面からその縁だけが見え、内部には木々が鬱蒼と生い茂っていたというのだ。さらに1936年には、地質学者が地面から突き出た赤みがかった金属製の半球を発見したという記録も残っている。彼はその半球の縁が非常に鋭利であり、うっかり触れれば爪が切れてしまうほどだと記録しているが、その後の調査では発見に至っておらず、伝説の域を出ない。

 しかし、「オルグイ」と呼ばれるその謎の金属球は、地元の猟師たちの間では今もなお語り継がれている。彼らは、狩りの途中で偶然にも「死の谷」に迷い込み、そこで球体を目撃したという。彼らによると、球体は巨大なもので、大きいものでは直径6メートルを超えるものもあったという。色は鈍い銅色で、表面は驚くほど滑らかだったという者もいれば、奇妙な模様が刻まれていたと証言する者もいる。材質については、銅に似た外観だが、実際は未知の金属であるとされている。鋼鉄製の道具を使っても傷一つ付けることができないほど硬く、正確なところはわかっていない。

シベリアの「死の谷」に眠る“謎の巨大金属球”は古代文明の遺物か、地球外生命体の痕跡か
(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

 さらに不可解なのは、球体が時と共に姿を消してしまうという現象だ。地面にゆっくりと沈み込んでいくという者もいれば、粉々に砕け散っていたと証言する者もいる。球体が現れたり消えたりするメカニズムは解明されておらず、謎を深めるばかりである。また、球体の周囲では植物が育たないことから、球体が何らかの負のエネルギーを発しているとも囁かれ、人々の恐怖をより一層掻き立てている。

 ウラジオストク出身のミハイル・コレツキーは、1933年から1947年の間に3度に渡り「死の谷」に足を踏み入れ、そこで7つもの球体を目撃したと証言している。彼は、球体は直径6~9メートルにも及ぶ巨大なもので、表面はタガネで突いても全く傷がつかないほど強固な金属でできていたと語っている。内部に空洞があるのか、それともぎっしりと詰まっているのかさえも、全く見当がつかなかったという。

シベリアの「死の谷」に眠る“謎の巨大金属球”は古代文明の遺物か、地球外生命体の痕跡か
(画像=老遊牧民の物語に基づく死の谷の「大釜」 Авторство: Юрий Михайловский. Тайны Евразии / В.Н. Дёмин. — М.: Вече, 2007. — 448 с. — (Гиперборея). ISBN 978-5-9533-2508-0, Добросовестное использование, Ссылка,『TOCANA』より 引用)
シベリアの「死の谷」に眠る“謎の巨大金属球”は古代文明の遺物か、地球外生命体の痕跡か
(画像=老遊牧民の物語に基づく死の谷の不可解な構造 Авторство: Юрий Михайловский. Тайны Евразии / В.Н. Дёмин. — М.: Вече, 2007. — 448 с. — (Гиперборея). ISBN 978-5-9533-2508-0, Добросовестное использование, Ссылка,『TOCANA』より 引用)

 彼は球体の中に入ることはできなかったが、その異様な存在感に圧倒され、恐怖を感じたと語っている。さらに彼は、球体の近くで一夜を明かした際に、同行者の一人がその後、原因不明の脱毛に見舞われたという奇妙な体験も報告している。彼は「球体には何か恐ろしい力が宿っている」と語っており、二度と「死の谷」には近づこうとはしなかったという。

 一体誰が、何のために作ったのか? 古代文明の遺物なのか、それとも地球外生命体が残した痕跡なのか? シベリア「死の谷」に眠る巨大金属球は、多くの謎を残したまま、今日もなお、その巨大な姿を密かに現しては消しているのかもしれない。

文=青山蒼

提供元・TOCANA

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