【社会人のためのTOEIC Program・3】この連載は、「社会人のためのTOEIC Program」と題して、社会人が英語を学ぶ目的、英語を学ぶ際のコツや注意点、企業における英語研修などについて解説しています。第3回目のテーマは、「キャリアアップに使えるTOEIC Testsのスコアとは?」です。実際にTOEIC Testsを受験したとして、いったい何点から履歴書に書けるのか、どのくらいの点数なら採用時に有利に働くのか、逆にマイナスに働く点数はあるのか。このようなキャリアアップを考える際に気になる項目について、日本でTOEIC Programを実施・運営するIIBCが保有するデータや調査結果からお伝えします。

キャリアアップに使えるTOEIC Testsのスコアとは?
(画像=『BCN+R』より 引用)

キャリアアップに使える英語力はTOEIC L&R で言うとどれくらいのスコア?

 「ビジネスで使える英語力」といっても、その目的や場面などによってさまざまです。IIBCは、TOEIC Testsを採用基準に用いている企業や受験者への調査を行っており、その結果にもとづいて解説します。

 2022年の調査では、「『履歴書・職務経歴書・社内のプロフィール等に記載してもいい』と思う『TOEIC L&R』のスコア」を求職者に聞いたところ、「700点以上」と答えた人が最多となりました。一方で、採用を担当する人事側に「実際に評価するスコア」を尋ねたところ、中央値は「600点以上」となり、応募する側と評価する側で100点ほどの開きがありました。つまり、企業では高得点獲得者への評価はもちろんのことですが、中級者~上級者に入り始めたくらいのスコアからでも評価されているともいえる結果となったのです。

 実際に英語を実務で必要としている企業の人事担当者は、「(もちろんスコアが高いことは評価するものの)たとえスコアが高くなくても、自分の現在の英語力を把握した上で、目標を決めて学習を行い、どういう成長をしていきたいという意識があれば一定の評価をすることもあります」と話していました。

キャリアアップに使えるTOEIC Testsのスコアとは?
(画像=『BCN+R』より 引用)

キャリアアップを考えた時に必要な英語力とは?

 「英語力」にもListening、Readingといったインプットの技能と、Speaking、Writingのようなアウトプットの技能を合わせて「英語4技能」と呼び、これらの技能をバランスよく身につけていることが望ましいといえます。また、ビジネスにおいては、シチュエーションに応じたコミュニケーションや、相手の文化背景に合わせて、知識としての英語を使いこなせるかといった点も重要になります。

 実際、調査でも「人事担当者が最も評価したいもの」を聞いたところ、「『TOEIC L&R』において高いスコア(8割以上)を取得している」が27%だったのに対して、「『TOEIC L&R』『TOEIC S&W』の両方で平均以上(6割~7割)のスコアを取得している」が45%と、4技能全体でスコアを持っていることが評価されるという結果も見られました。TOEIC S&Wはそれぞれ0~200点となっています。TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2024からTOEIC S&W公開テスト受験者の平均スコアがSpeaking約130点、Writing約140点のため、まずはこの辺りを目指すと良いと思います。

キャリアアップに使えるTOEIC Testsのスコアとは?
(画像=『BCN+R』より 引用)