FMヨコハマ「ザ・モーターウィークリー」のDJ&モータージャーナリストの高橋アキラです。前回は韓国で覆面カー「インスター」に試乗したことをお伝えしましたが、今回は釜山モーターショーでワールドプレミアされた様子、ヒョンデのマザー工場などの情報をお伝えします。

【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5
(画像=釜山モーターショー2024会場、『AUTO PROVE』より 引用)

さて、プロトタイプのインスターに試乗した翌々日に、釜山モーターショーでキャスパーEV(グローバルネーム:インスター)がワールドプレミアされました。釜山モーターショーは出展メーカーが少なく、ヒョンデだけが目立つイベントです。

【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5
(画像=釜山モーターショーでキャスパー(グローバル名:インスター)がワールドプレミアされた。右端が開発責任者のサイモン氏、左の女性がデザイナー、『AUTO PROVE』より 引用)

そもそも韓国に自動車メーカーはどの程度あるのか聞いてみたところ、8割はヒョンデグループだそうで、それ以外ではKG mobility、GM korea、ルノーサムスン(ルノーコリア)などがある程度。

【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5
(画像=報道かと思ったらYouTuber、『AUTO PROVE』より 引用)
【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5
(画像=シフトレバーはなく、ステアリングコラムにシフトダイヤルがつく、『AUTO PROVE』より 引用)
【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5
(画像=フィジカルスイッチのインターフェイスは変わり、質感も上がっている、『AUTO PROVE』より 引用)

実際ソウル、釜山の街中で見かけるクルマのほとんどがヒョンデで、ヒョンデ中心のモーターショーでも特段おかしなことでもないんですね。

【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5
(画像=BMWのブースではノイエクラッセの他にMINIのEVが発表されていた、『AUTO PROVE』より 引用)

一方で、輸入車はもちろん市中を走っており、レクサスがちょっといて、ポルシェ、BMW、アウディ、メルセデス、VWはよく見かけます。特にBMWが人気のようで、3シリーズより上位のセグメントが多いことに驚かされます。つまり日本だと800万円クラスより上のクルマが多く、国力で負けているのか?日本と言いたくなります。

他に目立つのはヒョンデのプレミアムブランド「ジェネシス」が大きなスペースを使い、プレゼンテーションをやっていました。

【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5
(画像=G90ベースと思われるコンセプトワゴン、NEOLUM CONCEPT、『AUTO PROVE』より 引用)
【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5
(画像=停車中は運転席も含めこうした対面シートになる、『AUTO PROVE』より 引用)

G90がベースと思われるNEOLUM CONCEPTは、ステーションワゴンで対面型シートに変更できるタイプのエグゼクティブ仕様で、他にG80のEVも発表されました。G80はメルセデスベンツのEクラス相当のモデルで、G90はSクラスですね。

そしてプレイステーションとのコラボでスーパースポーツモデルのコンセプトカーを発表したりで、ヒョンデグループのモーターショーは、KIAを含めモーターショーらしい演出を行なっていました。ルノーコリアはおそらくARKANAと思われるSUVのプレゼンテーションを行なっていました。

また取材陣も、これらのモーターショーを取材しているのは韓国人がほとんどで、こじんまりとしたイベントでした。

【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5
(画像=釜山にあるヒョンデの工場には創業当時の設備を復元し、展示している場所がある。当時は漢字が使われていた!!、『AUTO PROVE』より 引用)

釜山モーターショーを見学したあと、ヒョンデのマザー工場を見学することができました。しかしこれが、資料は渡せない、写真撮影は禁止でスマホのカメラにシールを張り、録音もNGという厳戒体制での見学です。

【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5
(画像=輸送船内。積み方の方法は日本と酢こことなったが、基本ギャングと言われるスタッフが運び込み固定していく、『AUTO PROVE』より 引用)
【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5
(画像=輸送船のトップデッキ。長い航行になるので、ランニングをするスタッフも多いという、『AUTO PROVE』より 引用)
【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5
(画像=輸送船の操舵室。海賊にあったことがあるかという記者の質問に、あれは映画の中だと笑ってた。真偽不明、『AUTO PROVE』より 引用)

工場の生産能力は3000台/日、最大4500台ということで、年間110万台規模の生産工場になります。

製造ラインとしては4ラインを最低でも所有している大規模工場であることがわかりますね。見学できたのはジェネシスの大型セダンを生産するラインでしたが、他モデルが他のラインで生産されていることは間違いなく、ヒョンデのマザー工場という位置付けです。

そして海外輸出する輸送船の見学もできました。輸送船は国内メーカーが海外に輸出する時に使うものと同様で3000台前後の船載能力の輸送船で、欧州、北米などへのルートが釜山港から運び出されています。北米西海岸には約2週間、東海岸には1か月、そしてドイツには45日の輸送時間という長旅でした。

またこの釜山港からは年間150万台のヒョンデ車両が輸出されており、他工場からもこの釜山港へ運び込まれて世界へと運ばれています。グローバル販売台数で世界3位を争う巨大モーターカンパニーであることを実感しましたね。

提供・AUTO PROVE

【関連記事】
BMW M550i xDrive (V型8気筒ツインターボ+8速AT:AWD)試乗記
マツダ3e-スカイアクティブ X試乗記 トップグレードエンジンの進化
トヨタ ヤリスクロス試乗記 売れるクルマ(1.5Lハイブリッド4WD)
ホンダ N-ONE試乗記 走りが楽しいRS(FF 6速MT、CVT、ターボ&NA)
スズキ ソリオバンディット試乗記(1.2LMHEV CVT FF)