元オランダ代表FWクインシー・プロメスは、2020年に1361kgのコカイン密輸に加担した容疑で今年1月24日にアムステルダムの裁判所から9年の禁固刑を求刑された。さらには、2020年にもパーティーで従妹と言い争いをした際に膝を刺したとして、18カ月の禁固刑を科せられている。
そんなプロメスが、9月4日にアラブ首長国連邦(UAE)2部リーグに所属するドバイ・ユナイテッドに加入したことを、同クラブがSNSのビデオ投稿で発表し、母国オランダでは大きなニュースとなっている。
プロメスは、オランダ1部のアヤックス・アムステルダム、スペイン1部のセビージャ、ロシア1部のスパルタク・モスクワ等でプレーし、オランダ代表としても50キャップ(50試合出場)を誇っている。有罪判決を受けた当時モスクワでプレーしていたが、オランダとロシアには犯罪者受け渡し条約が存在しないことから、オランダに帰国せずに収監を免れていた。
さらにはスパルタク・モスクワのUAEでのトレーニングキャンプ中の2月29日に、交通事故を起こしているプロメス。事故後にその場を立ち去ったことから拘留され、裁判を待つために同国に滞在していたが釈放されていた。しかし、オランダからの身柄引き渡し要請に伴い、UAEからの出国は認められていない。ドバイの裁判官がオランダからの引き渡し請求に対してまだ判決を下していないのが理由のようだ。
そんな最中にドバイ・ユナイテッドに加入した訳だが、その契約内容にはプロメスがUAEを離れる許可を得られた場合、スパルタク・モスクワに戻ることができるというオプションが含まれているようだ。プロメスとモスクワとの契約は現在満了となっているが、クラブは同選手がロシアに復帰できるようになる可能性があることを示唆しているとのことだ。