ロールスロイス・モーターカーズは2024年5月、イギリスでスーパーラグジュアリーSUV「カリナン」のマイナーチェンジ・モデル「カリナン シリーズ2」を発表した。そして8月29日、早くも日本でも初披露された。
カリナンはロールスロイスで初のSUVとして2018年にデビューした。アルミ製スペースフレーム構造のボディ骨格「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を採用し、最高出力420kW(571ps)/5000-6000rpm、最大トルク850Nm/1600-4250rpmを発生する6.75LのV型12気筒ツインターボエンジンを搭載。ロールスロイス初の4WDシステムで4輪を駆動するラグジュアリー・オフローダーである。
マイナーチェンジされたカリナン・シリーズ2は、エクステリア、インテリアのデザインの変更や装備をアップデートさせている。
エクステリアは「垂直」を強調するデザインを採用し、フロントマスクではヘッドライトの両サイド外側から垂直に下りるLEDタイプのDRL(デイタイム・ランニングライト)を新採用。
DRLからバンパー中央に向かってなだらかに続くV字ラインを描くことによって現代的なヨットを連想させるようなデザインとしている。また、バンパー内にある新型エアインテークはハの字型の外向き形状にして、正面から見て車高を低く見せる効果を生み出している。
フロントマスクは、「ファントム」や「スペクター」でも使われている「イルミネーテッド・パンテオン・グリル」を新採用。また、従来はガンメタリック塗装となっていたボディ下側の樹脂パーツは鮮やかなハイグロスブラック塗装に変更され、走行中に流れていく路面の状況を映し出すことができるようになっている。
インテリアは、インスツルメントパネルではメーターパネル部から助手席の前方までダッシュボード上部を横断する「ガラスパネルフェイシア」を新採用。デジタル技術とクラフトマンシップを融合させている。
デジタル表示のメーターパネルとインパネ中央に配置されるセントラル・インフォメーション・ディスプレイには、新たにデジタル・インターフェース「SPIRIT オペレーティング・システム」を導入している。
EV「スペクター」で初採用された「SPIRIT オペレーティング・システム」は、オーナー専用アプリ「Whispers」に対応。スマートフォンのアプリを操作することで、ナビゲーションの目的地を車両に送信したり、自車位置を遠隔確認できたりするほか、車両の施錠管理も行なうことができる。
インスツルメントパネル助手席側のガラスパネルはイルミネーテッド・フェイシア・パネルとなっており、光で「CULLINAN」の車名ロゴが浮き上がるほか、大都市の夜空に浮かぶ摩天楼からインスピレーションを得たシティスケープ・グラフィックを表示する。
ダーク調に着色した強化防犯ガラスの背面に、7000ドットをエッチングするレーザー加工したことによって光のラインが描かれ、発光点それぞれを微妙に異なる角度と寸法で配置することで奥行き感を演出。また、購入者はビスポーク・デザイナーと相談しながら、自身好みのイルミネーテッド・フェイシア・パネルをデザインするサービスも用意している。
新採用のスピリット・オブ・エクスタシー・クロックキャビネットは、アナログ時計と照明で浮かび上がるステンレス製のスピリット・オブ・エクスタシー像によりカリナン独自の世界観を表現。
シート表皮やウッドパネルなどトリム類は、自然のイメージと植物からインスピレーションを得た素材を採用しており、インテリアトリムには竹を原料にした新しいレーヨン生地「デュアリティ・ツイル」を使用。なお、この生地は3色を設定し、さらに51色の糸からオーナーが選択可能だ。
本革素材は小さな穴を使ってアート作品を制作する新しい工芸技術「プレースド・パーフォレーション」を新採用している。0.8mmと1.2mmの小孔からなる最大10万7000個の穴でデザイン表現を可能にしているのだ。
本木目パネルには、樹種を厳選したベニヤシートを手作業で染色し、微細な金属粒子を加えることで、繊細な輝きを放つ美しい独特の効果を生み出した天然オープンポア材「グレー・ステンド・アッシュ」を採用している。
ロールスロイス・モーター・カーズのクリス・ブラウンリッジCEO
「2018年に発表したカリナンは、スーパー・ラグジュアリー・カーに新風を呼び、走行環境を問わず、世界のあらゆる場所でお客様にロールスロイスの象徴であるマジック・カーペット・ライドを提供してまいりました。その後年間にわたり、カリナンはロールスロイスにまったく新しい顧客層をもたらし、ロールスロイスとはどのようなクルマであり、お客様にとってどのような意味を持つ存在であり得るかという認識を大きく変えました。カリナン・シリーズは、その成功をさらに発展させるために誕生しました。新しい技術、新素材、細部まで考え抜かれたデザインのアップデート、そしてビスポークによる創造性に富む自己表現の機会を融合することで、私たちはこれまでお客様から高い評価を得てきた要素をすべて維持しながら、これからも魅力的な自動車であり続けることをお約束します」
価格
カリナン・シリーズ2:4645万4040円から
カリナン・シリーズ2 ブラック・バッジ:5415万4040円から
提供・AUTO PROVE
【関連記事】
・BMW M550i xDrive (V型8気筒ツインターボ+8速AT:AWD)試乗記
・マツダ3e-スカイアクティブ X試乗記 トップグレードエンジンの進化
・トヨタ ヤリスクロス試乗記 売れるクルマ(1.5Lハイブリッド4WD)
・ホンダ N-ONE試乗記 走りが楽しいRS(FF 6速MT、CVT、ターボ&NA)
・スズキ ソリオバンディット試乗記(1.2LMHEV CVT FF)