既存店の売上が伸びない理由

 既存店の売上が伸びない理由としては、どのようなことが考えられるだろうか。

「ひとつにはフランチャイズ(FC)運営が挙げられます。直営店が多いユニクロやしまむらより運営が難しいのは間違いないでしょう。FCビジネスは衣料品チェーンよりもコンビニエンスストアなどのほうがマネジメントには長けているはずなので、そういった他業種からノウハウを学ぶなど、全国の加盟店などと協力して運営を変えていく必要はあるでしょう。

 ユニクロはかつてはFC店も多くありましたが、現在は10店舗しかありません。残りの797店舗は直営です。しかしワークマンは94%ほどがFC店で、割合は長らく変わっていません。つまり、FCビジネスは今後も続けていくと考えられるので、その運営になんらかのメスを入れていかないと苦戦する可能性はあります」(同)

 固定客を獲得するためには、現在の体制のままではなく、なんらかの改革をしなければならないということだ。また、大ヒット商品の欠如も要因として挙げられる。

「ワークマンは作業服がライダーたちに受け入れられたり、ワークマン女子がアウトドアで重宝されたり、業態が注目されがちですが、商品が常に注目されるようにならないと固定客はつきにくいと思います。過去には、妊婦用の『滑らない靴』などヒットした商品もあるのですが、コンスタントにヒット商品をだしていかないと世間に注目されるようにならないのではないでしょうか」(同)

 ユニクロに宣戦布告するかのような発言が注目され、その翌日には株価が上昇する効果が見られたが、そもそもユニクロより安いと認識されているワークマンが、“ユニクロよりコスパがよい”との評価で、世間から注目されるようになるのか、しばらく動向を注視したい。

(文=Business Journal編集部、協力=磯部孝/ファッションビジネス・コンサルタント)

提供元・Business Journal

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