トルステン・フィンク監督(写真左) 写真:Getty Images

 ベルギー1部シント=トロイデン(STVV)は、日本代表DF谷口彰悟やパリ五輪U23日本代表GK小久保玲央ブライアンら日本人選手を多く擁するなか、9月3日にクリスティアン・ラタンツィオ監督の解任を公式発表。現地では昨季限りで退任した元ヴィッセル神戸指揮官のトルステン・フィンク氏と同様、立石敬之CEO(最高経営責任者)ら日本人幹部とのコミュニケーション不足が監督交代の原因だと指摘されている。

 STVVは昨季終了後、KRCヘンクへ引き抜かれたフィンク氏の後任として、ラタンツィオ氏を招へい。日本代表GK鈴木彩艶をパルマへ完全移籍により放出した一方、谷口や小久保を獲得したほか、ビジャレアルから元U20ウルグアイ代表FWアンドレス・フェラーリを期限付き移籍により迎え入れるなど、前線の強化にも動いていた。

 しかし小久保、MF藤田譲瑠チマ、MF山本理仁のパリ五輪参戦もあり、一度もトレーニングで全選手が揃うことがなく、シーズンに突入。ここまで6試合で3分3敗と苦戦を強いられるなか、クラブは3日に監督交代を公式発表している。

 するとベルギーメディア『Voetbal』は、ラタンツィオ監督解任の裏側を特集。前線の補強が遅れたことを指摘した上で、「移籍ウィンドウで後れをとること、立石氏らクラブ幹部との距離が表面化した」と綴っている。

 また昨季終了後の監督交代についても「フィンクはわずか1年でSTVVを離れた。経済的な側面やシーズンの結果のみならず、直近数ヶ月でクラブ幹部やスタッフとの間に亀裂が生じたことも、STVV退団の原因である」と、監督とクラブ幹部との間に問題が生じていた可能性を指摘。その上で「STVVを去る監督から同じ理由が聞こえてくることが多すぎる。チーム編成に関して発言権が無い、日本人のクラブ幹部とのコミュニケーションがほとんどない等だ。幹部は同じ失敗を繰り返している」と綴っている。