小久保玲央ブライアン 写真:Getty Images

 日本代表DF谷口彰悟やパリ五輪U23日本代表GK小久保玲央ブライアンのシント=トロイデン(STVV)移籍など、多くの日本人選手がプレーしているベルギー1部リーグ。9月6日の移籍ウィンドウ終了を前に、ベルギー国内クラブによる日本人Jリーガー獲得の可能性が一部で報じられるなか、現地では日本人選手に対する否定的な論調が飛んでいる。

 今年夏の移籍ウィンドウでは、日本代表MF伊藤敦樹が浦和レッズからKAAヘントへ、MF高嶺朋樹が柏レイソルからKVコルトレイクへ完全移籍するなど、20代中盤のJリーガーがベルギーへ新天地を求めるケースが増加している。

 また9月1日に行われたベルギー1部リーグ第6節のSTVV対コルトレイクでは、両チームあわせて9人の日本人選手がプレー。STVVから谷口、小久保、MF伊藤涼太郎、DF小川諒也、MF山本理仁、MF藤田譲瑠チマ、コルトレイクからは高嶺、MF金子拓郎、DF藤井陽也がスタメン出場しただけに、ネット上で「ここはJリーグなのか?」などと驚きの声が挙がっていた。

 ベルギーでプレーする日本人選手が増加しているなか、ベルギーメディア『Het Nieuwsblad』は8月28日、アンデルレヒト率いるブライアン・リーマー監督が日本人選手獲得の可能性に言及したことを報道。ただ、指揮官は「欧州サッカーのスタイルをすでに知っていて、すぐにチームに溶け込める選手を望んでいる」とした上で、「言葉も通じず、欧州のスタイルも知らない日本人選手を獲得するかもしれない」と否定的な姿勢を覗かせている。

 するとベルギーメディア『HUMO』は9月2日に「(移籍期間終了までに)誰かが日本のトラフィックから恩恵を受けるだろう」などと、日本人選手のさらなるベルギー流入の可能性を報道。その上で「ベルギーにこれほど多くの日本人がいても誰も得をしない」「日本人選手とプレーするのが好きな人はいない」「日本人選手が多くいると、我々のサッカーではなくなる。面白くない」などと、ベルギー国内クラブによる日本人選手獲得戦略を非難した。