重要なのは危機を煽ったり、不安に嘆くことではない。これまでになかった新たなトレンド展開に備えて、我々は生存可能性を高めるためにどう生きるか?というこれからの身の振り方を考えることである。

1つ目はインフレヘッジ、すなわち資産運用で対応する。インフレが進行する要素は人手不足だけでなく、法定通貨の減価など要因は様々ある。いずれにせよ資産運用をすればインフレヘッジになるので望む、望まずに関わらず投資家というプレーヤーになる必要があるだろう。

2つ目は所得を増やす。人手不足がさらに進行すれば、所得は増加する。だが、自然増加を待つにはあまりにもその変化は緩慢であり、インフレスピードに追いつかない。そのため、やるべきはスキルアップをして付加価値を高めることだ。日本は給料が安いと言われるが、探せば高い所得を得られる仕事は世の中に常に供給されている。変化する市場ニーズから目を離さず、スキルアップをして転職をすることで、収入を増やす努力は比較的報われやすいだろう。

3つ目は独立や副業だ。社会保障がかつてないほど高くなっている今、企業側にとっては正社員を雇うより、フリーランサーや外注という形態で仕事を振る方が雇用費を削減することができるし、いざとなれば契約解除ができる損切りにもなる。そのため、同じ仕事、同じ時間単価であれば、正社員より割高なフィーを受け取ることができるのだ。本業の仕事を続けつつ、かたわらの時間で割高なフィーで稼ぐ道で食い扶持を確保する戦略がワークする可能性はあるだろう。

我が国で30年間続いたデフレ環境とは、全く異なる世界がこれから本格的にやってくる。必要なのはどんな新環境になっても柔軟に対応する力である。

 

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