社会保険料は税と違って引き上げられやすいために、現役世代が一方的に負担を負わされ続け、リスクを分け合う「保険」として機能せず若者への「課税」になっているという指摘も正しい。

ただ一方で河野太郎氏は

>中小企業などの賃上げの原資を生み出すためにも、現役世代の負担が過剰とならないよう、高齢者の世代内での助け合いを今以上に深めていく必要があります。

と述べつつも、まだその具体的な方針・制度設計については明らかにしていません。

若い世代の保険料を下げようとするならば、

・高齢者の負担(窓口支払いや保険料)を増やす
・給付(過度な医療サービス)を減らす
・あるいは保険制度はやめて税を投入する

など、大きなオプションとしてできることは限られます。

日本維新の会は医療制度改革案「医療維新」の中で

・窓口負担や高額医療費制度を適正化し、年齢にかかわらず資力のある方には負担をお願いしつつ ・保険数理が崩壊した高齢者医療制度そのものを見直しながら、税財源化することで膨張を抑止する(保険料のようになし崩し的に引き上げられるのを防ぐ)

という、いわばハイブリッド案を提案しているところですが、これ以外にも制度設計案はあるはずです。

河野太郎氏には総裁選の中で、ぜひ具体的な方針や制度を明らかにしながら、社会保険料の引き下げ・社会保障制度改革を正面からアジェンダとして掲げ続け、他の総裁候補者の考えを引き出してほしいと思います。

また、社会保障制度改革で「第三の道」を目指すと公言している小林鷹之氏や、他の総裁候補からも積極的な提案がなされることを期待しています。

維新も負けずに「医療維新」と「現役世代の社会保険料負担軽減」の旗を高らかに掲げ続けていく所存です。

ただ、河野太郎さんは前回の総裁選挙でも年金改革をぶち上げ、残念ながら尻すぼみになった経緯があります。

今回は総裁選の論争の中でも一歩も引かず、ぜひ他の総裁候補が労働市場の流動化・金銭解雇の導入についてどのようなスタンスを持っているのかを、白日の元に晒していただけることを強く期待する次第です。

編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2024年9月1日、2日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。