新規ビジネスより不動産購入のほうが儲かる?

 冒頭のX投稿をめぐっては、一定の資金があるのであれば新規ビジネスに手を出すより不動産を購入したほうが確実かつ大きな利益を見込めるのではないかという声も寄せられている。たとえばエイベックスは2020年度に東京都港区の本社ビルを約700億円で売却し、290億円の特別利益を計上したが、同社創業者で現会長の松浦勝人氏はかつてSNSで「俺が社長時代に一番儲けたのは不動産ってことになる」「俺、社長やっている間、アーティスト作れなかった。でも、代わりに不動産屋やっていたんだ」と語っている(21年5月10日付「デイリー新潮」記事より)。

 大手ディベロッパー社員はいう。

「老舗の大手企業のなかには本業の低迷を不動産事業の利益でカバーしているところは少なくないが、そのような企業は昭和の戦後やバブル景気の前から不動産を保有していて、たまたま今になって金を生む道具になっているというかたちが一般的。また、本業が成功して稼いだ多額のお金を元手に、経営者本人の趣味や周囲からのアドバイスをきっかけに不動産投資に注力して儲けているというケースは意外に多い。ただ、商業施設ともなれば開発や取得に数十億~数百億円レベルの資金が必要なので、個人でやるのは現実的ではない。

 個人でやるとすると、数億円の資産がある人がマンションを住戸単位で買うか一棟買いして家賃収入を得るというのが現実的な方法になってくる。立地や物件の状態によるが、安定的にそれなりの収入を見込めるものの、起業のように巨額の上場益を得るというドリームは起きない。一方で不動産投資はしっかりと勉強と情報収集をして堅実に行えばリスクは少ないというメリットはあり、一概にどちらのほうがよいとはいえない」

(文=Business Journal編集部、協力=長谷川高/長谷川不動産経済社代表)

提供元・Business Journal

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