■こんなに似ている! チャン族とユダヤ人の風習

 では、彼らを「失われた10支族」の末裔と考える理由はどこにあるのだろうか? 以下に、アミシャーブ代表のラビ・エリヤフ・アビハイル氏の著書『失われたイスラエル10支族』(学習研究社)で語られている内容を紹介する。

中国・四川のチャン族は古代イスラエル「失われた10支族」の末裔で日本人の兄弟!? 日ユ同祖論の核心に迫る
(画像=画像は「Elixir of Knowledge」より引用、『TOCANA』より 引用)

・ 神の名前
 まず、チャン族は自らを「アブラハムの子」と称しており、彼らの父祖には12人の息子がいたという。これは、ちょうど旧約聖書でユダヤ人の父祖とされるアブラハムに12人の息子がいて、後に全12支族につながるという記述と一致する。チャン族の信仰形態はアニミズム(精霊崇拝)的な多神教であるが、その神々の最高位に位置するのは神を「アバチ(精霊の父)」または「ユイワ」と呼ぶ。この「ユイワ」は、旧約聖書に登場する唯一神「ヤーウェ(ヤハウェ)が転訛した可能性がある。
・ 叙事詩の記述
 チャン族には、『ムジショ』と『ピグニョ』という2つの叙事詩が受け継がれているが、これらによると、彼らの祖先は西北の草原地帯から移り住んできたという。さらに興味深い記述は、たとえば羌人(チャン族の祖先)が天女ムジショと結婚するために天界へ行き、天帝から結婚の許しを得るが、「天界を去る時には決して後ろを振り向いてはならない」という忠告をムジショが破ったため、家畜のほとんどが逃げて野獣になってしまった――。これは、ちょうど旧約聖書の『創世記』で、ソドムとゴモラが滅ぼされる際に神の使徒がやって来て、ロトの家族に「決して振り返るな」と言ったにもかかわらず彼の妻が背いたため、塩の柱になってしまった話と酷似している。また、チャン族の叙事詩には「天神の怒りを買って洪水が起こった」という話もあるが、これも同様に旧約聖書の洪水話と似ている。
・ 神への捧げ物
 チャン族には「シピ」と呼ばれる宗教的職能者がおり、時には村全体のために、そして時には病人のために経文を読み、ヤギを身代わりに犠牲にする呪法も行うのだが、これはユダヤ人の風習「アザゼルの山羊」を想起させる。贖罪の捧げ物として2匹の雄山羊を用意し、1匹を屠って神に捧げ、もう1匹を砂漠に放すというものだが、これが「スケープゴート」という言葉の由来にもなっている。
・ 結婚制度
 チャン族では、夫が死ぬと未亡人は夫の兄弟と結婚する。これは、ユダヤの「レビラート婚」と同じ制度であり、かつては日本の一部にもその風習があった。
・ 暦、祭壇も……
 そしてチャン族は、農暦(中国暦)の10月1日を新年とするが、これはユダヤ暦で7番目の月(9月か10月)を新年と定めている点に類似する。他にも、山の頂上に築いた自然石の祭壇で神に犠牲を捧げる点、さらに家屋の扉の側柱に血を振りかけて家内安全を祈る点に至っては、ユダヤ人の「過越祭」とまったく同じだ。ちなみに、これと似た風習は沖縄にも残されており、血に浸した木の枝や家畜の骨を家の戸口や集落の出入り口に吊るす「カンカー(看過)」という行為も、イスラエルとのつながりを感じさせ興味深いところだ。

中国・四川のチャン族は古代イスラエル「失われた10支族」の末裔で日本人の兄弟!? 日ユ同祖論の核心に迫る
(画像=Borncrazy – 投稿者自身による著作物, CC 表示 3.0, リンクによる、『TOCANA』より 引用)