フランスとの国境にある総合病院はフランス人も利用している。彼らフランス人に、病院を利用するのであるから税金を払えとサンチェス政権は要求している。このようなことをこれまでのスペイン政権が要求することなど全くなかった。

しかも、銀行やエネルギー企業には特別税さえある。これは企業を弱体化させるものである。が、政府はそれを解除しようとしない。だから、一般に企業家はサンチェス政権への信頼はゼロである。多くの経営者がサンチェス首相よりも悪い首相はこれまで存在しなかったとしている。

彼の政権下で国の負債は増加し、GDPの100%を超えた。18歳未満の35%の若者が貧困層に陥る可能性が出ている。彼が首相に成る前の2018年はそれが30%であった。彼にはこのような深刻な社会問題の解決は二の次である。首相でいるということが彼にとって一番重要なことなのである。

サンチェス首相インスタグラムより

多くの国民も企業も政権の交代を望んでいる

多くの国民や企業は政権の交代を望んでいる。しかし、政権にしがみつくサンチェス氏は皮肉にもスペインから独立を望む政党からの支持を味方にして過半数の議席を確保して政権を維持し、それにしがみついている。その為に、サンチェス首相は独立派政党へ権利の譲歩などを余儀なくさせられている。それは逆にスペイン全体の発展にとってマイナスであるが、政権にしがみつく彼にとってそれは二の次である。

だから、それが顕著にあらわれているのが企業経済である。昨年だとスペインで倒産または廃業した企業の数は9137社。2019年のパンデミックの年の3942社に比較して2倍強の企業の消滅である。これなどは政府が企業の回復のための政策を実行して来なかったという表れである。投資についても2019年と比較して2%少ない状態にある。(6月9日付「ボスポプリ」から引用)。

サンチェス政権が今後も続く限り、スペインの成長は望めない。