ではお前はどう予想するか、と言われれば公開されている情報だけでモノを申し上げるのは憚れるのですが、コア事業申請は却下される公算があるのではないかとみています。セブンにとって真の意味でのコア事業はごくわずかであり、逆に言えばその事業だけ買収対象から外せばよいということになるかと思います。
ではなぜセブンはそのような申請をしたのか、ですが、これも想像ですが、一つは時間稼ぎ、一つは運よくコア事業になれば買収のハードルが上がるということです。ただ、私から見れば正攻法ではないと思いますが、特別委員会がセブンの気持ちを斟酌しているようにも感じます。
ところでカナダのこのコンビニ大手、クシュタールはセブンの何が欲しいのか、これまた様々な意見が出ています。
私は単に店舗数、特にセブンの「スピードウェイ」買収でアメリカのロードサイド店が増加したこととセブンの企業価値が「バーゲンセール」状態であることに目を付けた、それが主たる理由だと思います。一部には日本式セブンの運営、つまりレジの後ろで様々な調理品を作ったりするノウハウ、例えば最近では焼きたてピザを他のセブンの商品と共に宅配するという新サービスも始めていますが、それが主眼ではないと思います。
あのような日本的(アジア的)サービスをクシュタールの得手としている北米や欧州北部の店舗で展開するのはほぼ不可能だと考えています。理由は簡単。物流ができません。日本は比較的小さい国土にコンビニが密集するようにあります。それなら一日に複数回の配達を含めたきめ細かいサービスが可能です。ところが北米ではそんな器用なことは物流的に不可能だし、それ以上にコンビニのスタッフにそれをやらせるのは至難の業なのです。
日本人は器用なのです。だからこそ温めや調理もできるのです。また国や地域によってルールが違うと思いますが、食品調理を伴う場合、保健所の管理も厳しくなります。そこまでして北米の店舗でセブン流調理できるとは私は逆立ちしても思えないのです。