アウディスポーツ本社は2024年8月20日、スーパースポーツ・モデル「RS3」(スポーツバック/セダン)を改良し発表した。
今回の改良により、コンパクトな高性能モデルのRS3はよりスポーツ性能を向上させている。フロントの力強いライン、モータースポーツから生まれたホイール・デザイン、そしてRS専用バケットシートなどを備え、視覚的にダイナミックさを強調している。
エンジンは5気筒ならではの点火順序により、深みのあるサウンドを発生し、高性能であることをサウンドで表現している。この2.5 TFSIエンジンは、最適化されたシャーシセッティングと新しいタイヤと組み合わせることで、コーナーをより速く走り抜けることができる。
■エクステリア
エクステリアでは、フロント・デザインがよりダイナミックな、エッジを持つ六角形のシングルフレーム・グリルを採用。このグリルはフラットで広く、ボリューム感のあるダイヤモンドパターンとなっている。
縦の黒いブレードで強調された2つの機能的なサイドエアインテーク、フロント・スプリッター上の3つの開口部により車両はよりワイドに低く見える。これは1987年のアウディ・スポーツ・クワトロのパイクスピーク仕様を思い起こさせる。
進化したデイタイムランニングライトとの組み合わせにより、ヘッドライトもより個性を強めている。24個の要素からなるデイタイムランニングライトのデジタルシグネチャーは、チェッカーフラッグを表示。さらに、マトリクスLEDヘッドライトと組み合わせで、ドライバーは3種類のデイタイムランニングライト・デザイン表示をMMIタッチディスプレイから選択できるという初めての機能が加わっている。
リヤもモータースポーツを意識させるデザインとなり、より強い存在感を放っている。大きなRS専用のディフューザーの中央には、赤いリフレクターが組み込まれ、その両側にはRSエキゾーストシステムの楕円形テールパイプトリムを配置。ヘッドライトと同様に、テールライトにも新しいグラフィックが採用されている。ホーム・カミング/リービング・ホーム機能では、矢印が内側から外側に向かってダイナミックに点灯する。
ホイールは標準でマットブラックの19インチ5Yスポークデザインでマットブラックを採用。オプションで10本クロススポーク、マットダークグレーまたは光沢のあるメタリックブラック・リムが用意されている。
■インテリア
インテリアはダークな色調で、新しい形状のステアリングホイール、RSスポーツシート、またはバケットシート、カーボンによるトリム装飾、スポーティなディスプレイなどによりスポーツカー的な要素が強調されている。
ステアリングホイールは上部と下部がフラット形状に。グリップは標準のパーフォレーテッドレザーまたはオプションのダイナミカレザー(ステアリング上部12時位置にアクセントカラー付)で、手にしっくりと馴染むようになっている。
オプションのRSバケットシートは、より優れたサポート性を提供。このシートは中央にRSハニカムステッチが施され、マイクロファイバー生地のダイナミカを採用。シート・サイドのボルスターにはパールナッパレザーが施されている。
ヘッドレストの下には大きなRSバッジが付いた黒いテーパー状のインサートがあり、マットカーボン製シートバックレストの裏面との組み合わせによりサーキットの匂いを感じさせる。
インテリアは間接照明、透過照明、アンビエントライトが標準装備される。またデザインパッケージとしてはレッドとグリーンが用意され、シートベルト、シートショルダー、エアベントのカラーを選択可能。また、シート、センターアームレスト、ドアアームレスト、ステアリングホイールと、その12時位置のマーカーに施されたコントラストステッチも、それぞれのカラーで仕上げられる。ブラックベルベットのフロアマットにもRSロゴがあしらわれ、同様のデザインが施されている。
12インチのバーチャルコックピットプラスを装備し、3種類の表示モードを選択できる。メーターディスプレイの中央にタコメーターを配置し、パワー出力、トルク、Gフォース、加速、ラップタイムの表示も新たに追加。さらにトランスミッションをマニュアルモードにするとシフトインジケーターの回転数の表示が、緑から黄色、赤へと変化する。また、ディスプレイで使用できる多くのアプリケーションが、アプリストアに用意されており、選択したコンテンツはスマートフォンを介することなくRS3のインフォテインメントシステムにインストールすることができる。
また、オーナーは高い質感を感じさせる室内の香り(フレグランス)も感じることができる。このスポーティなモデルでのドライビング体験が、五感のすべてに響くように、インテリアにおける香りにも独自の基準を設けて、高級レザーやポリマーの一種など、高級素材に特有の心地よい自然な香りを採用しているのだ。
■2.5 TFSI 5気筒エンジン
2.5 TFSI 5気筒エンジンは、294kW/400PS、最大トルク500Nmを発生する。0-100km/h加速は3.8秒、最高速度290km/hに達する。数々のモータースポーツで成功し多くの受賞歴を誇るこの5気筒エンジンは、エモーショナルなエンジンの一つだ、特に、1-2-4-5-3の特徴的な点火順序に基づく独特なサウンドが印象的だ。
このサウンドと、可変フラップ制御付きのツインRSエキゾーストシステムにより高揚感が高まる。アウディドライブセレクトのダイナミック、RSパフォーマンス、RSトルクリヤモードでは、さらにサウンドのボリュームが増す。
■運動性能
動力性能は主要な競合モデルを上回るが、コーナリング性能、運動性能も大きく向上しており、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェ(北コース)で従来より5秒以上速い7分33秒123という新しいラップタイム記録を樹立している。
この高い車両運動性能は、リヤホイール間で完全に可変トルク配分するトルクスプリッターと、電子スタビリティコントロール、ホイール選択トルク制御(ブレーキトルクベクトリング)、そしてRSスポーツサスペンションのアダプティブダンパーにより実現されている。
これらのコンポーネントは横方向のダイナミクスについては、モジュラー・ドライビングダイナミクスコントローラーでネットワーク化され、データの同期が行なわれているのだ。進化したアルゴリズムにより、これらのシステムはそれぞれの運転状況に対して瞬時に反応してニュートラルなコーナリングを実現。選択されたアウディドライブセレクトモードに応じて、より速く、より機敏に、コントロールを保って運転することができ、路面摩擦係数が低い条件下では、これらのシステムの相互作用により安定性も向上させることができる。
また、シャシー総合制御により、これまでは主にアクセルを踏み、負荷を高めてオーバーステアを発生させてきたが、新型RS3ではステアリング角度によって、より簡単にオーバーステアを起こし、ドライバーは同じドリフト角をより速く得ることができる。
この他に、サーキット専用のパフォーマンスモードを有効にするには、ステアリング上のチェッカーフラッグのアイコンが付いた新しいボタンを追加。右側のステアリングスポークにある赤いRSボタンも新しく追加され、RSインディビジュアルモードへの切り替えが素早く実行できる。
タイヤは新しい専用タイヤを装着し、ドライ/ウエットいずれの路面でも優れたグリップと、全速域での正確なハンドリングを実現。またオプションとして、セミスリックタイヤPピレリ・Pゼロ トロフェオRも選択できる。
なお、この新型RS3 スポーツバック/セダンはインゴルシュタット工場で製造され、ヨーロッパでは8月末から受注を開始し、10月からデリバリーが開始される予定になっている。
提供・AUTO PROVE
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