地震大国日本において、地震に関連する研究は諸外国に比べて多く行なわれ、それと同時に地震予知が可能であるか否かについての議論もたびたびなされてきた。在野の地震研究家であった椋平広吉(むくひらひろきち)による地震発生前に出現するという特殊な虹(通称「椋平虹」)についての研究などをはじめとして、地震前に動物たちが異常な行動を示すという「宏観異常現象」と呼ばれるものが知られている。

 地震前や地震の最中に発生すると言われる現象の一つに、地震発光と呼ばれるものがある。この現象は、たびたび発生するようなものではないものの、これまでにいくつも、そしてかなり古い時代から記録されている。

 発光の仕方は一概ではなく、地面からくるぶしの高さまで上昇する青みが買った炎のような光であったり、空中を数十秒あるいは数分漂う火の玉であったり、地面から雷が伸びたような閃光であったりと、非常に様々な目撃情報があるという。

 2009年のイタリア・ラクイラ地震では、地震発生の数秒前に石畳の上をちらつく10センチメートルほどの炎のようなものを多数の人々が目撃しており、1988年にカナダで発生したケベック州の地震では、発生の11日前に発光現象とされる報告が相次いでいたという。

 2008年の四川大地震や2011年のニュージーランドでの地震でも発光現象は目撃されており、きわめて最近の例では、2023年9月にモロッコで発生した大地震にて、様々な色に輝く躍るような発光現象があったことが知られている。一方で古い記録によると、この発光現象は紀元前のローマ時代にはすでに目撃されていたと言われている。

 地震発光は、現象としても珍しい部類であることから分析もままない状態であった。古い文献などでは宗教的な解釈が強く示されており、現在でもUFOなどと同様のものとして認識する人も多いのが現状だ。

 そんな中で、発光現象の原因解明に大きく進展をもたらしたのが、1960年代に発生した長野県の松代群発地震であったという。皆神山付近を震源とするこの地震は、およそ5年半にわたり、総地震数71万回(うち有感地震6万)を超える世界的にもまれな群発地震であった。この地震でも発光現象がたびたび目撃されており、しかも撮影もなされたことによって、発光現象と地震との関係が強く確認されるようになったのだ。

 現在、この地震発光が起こる原因として考えられているのは、岩石に溜まっている電荷が、地震波の衝突によって放電されたものであるというものだ。岩石の結晶に含まれている不純物が、強力な圧力にさらされると、瞬時に分解して電気を発生させるのだという。この放出された電気こそが地震発光ではないのかというのだ。

 この説は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の研究員であったフリードマン・フロイントによるものであり、現在最も有力とされている説である。とはいえ、研究者の間で一致を得た見解ではなく、まだまだ地震発光については調査研究がなされている最中である。

 この地震発光の研究については、まさに地震予知を課題として含めたものとして研究が進行中となっている。少なくとも、地震雲などといったものよりは、はるかに現実的な地震予知の手がかりになっていることは確かであるだろう。

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文=黒蠍けいすけ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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