何十年もの間、検索エンジンは日本語で「逆引き検索」として知られる技術に依存してきた。この検索方法は、本の巻末にある索引で目当ての単語を探して、その単語の掲載ページを開く作業に似ている。

しかし検索結果一覧の表示だけでは、求める情報をピンポイントで確認できる信頼性の高いリンク先がどれかまでは分からない。検索結果ページから複数のリンク先に移動、確認しては戻る作業を繰り返す、ユーザー自身による「コンテンツキュレーション」にかなりの時間がかかる状況だ。

そこで米国のAI企業Ai Searchは、AIによる応答型検索エンジン「iAsk.Ai」を開発。 Webページへのリンクを提供する従来の検索エンジンとは異なり、ユーザーのクエリに直接対応して詳細な回答が表示される。今年8月に、有料プランのiAsk ProがAIのベンチマークである「MMLU Pro」でトップの成績を獲得したと発表した。

事実に基づく信頼性の高い回答を生成する“応答”エンジン

シカゴを拠点とするAi Searchは、AIで10年の経験と検索エンジン構築で20年の経験を持つ2人のコンピューター・サイエンティストによって2023年に設立された。

Image Credits:iAsk.Ai

同社が開発したiAsk.Aiは、ユーザーの質問に対して、正確で事実に基づいた回答を即座に提供するよう設計されたAI応答型検索エンジンだ。

独自の自然言語処理技術により、分かりやすい回答を信頼性の高い参考文献とともに生成。あらゆるクエリに対して最も関連性の高い情報を提供する。また、従来のオーガニックWeb検索結果とともに、関連するビデオや画像も1ページに表示してくれる。

プライバシーとセキュリティの観点から、iAsk.Aiでは個々のクエリと回答は保存されない。自分のクエリ履歴の確認は不可で、再度同じ質問をする必要がある。8月7日の時点でこれまで処理した検索数は3億件以上だという。