■ダイブし体が垂直に

ケルシーさんはその少し前、ベビーベッドのマットレスの位置を下げていた。いよいよ動きが活発になったレナちゃんが転落するのを防ぐためだった。

それを知らなかったレイモンさんは、眠くなったレナちゃんをベビーベッドに横たわらせようとして体のバランスを崩し、頭からベッドにほぼ垂直にダイブしてしまった。

レイモンさんはずれたメガネを直し、スニーカーを履いたままの足でベッドに立っておそるおそる降りるが、レナちゃんを踏むまいと表情には必死さが漂っている。