NASAの火星探査機パーサヴィアランスが、火星で古代の生命の「可能性」を示す初の兆候を発見した。探査機が発見したのは、矢じりの形をした岩で、その内部には筋のような構造が見られた。科学者たちは、この岩が数十億年前に微生物によって形成された化学的な痕跡と構造を持っていると判断したという。

化学的な痕跡と有機化合物の発見

 パーサヴィアランスは地球に画像を送信し、かつて水が流れていた表面に残された結晶性の固体と、有機化合物とエネルギー源を含む赤みを帯びた地域があることを明らかにした。この岩は、幅約1メートル、高さ約60センチメートルであり、グランドキャニオンの滝にちなんでチェヤヴァ滝と命名された。

火星で初めて「生命の可能性」を示す発見か=NASA
(画像=ヒョウの斑点のような部分は古代の生命の痕跡かもしれない 画像は「Daily Mail Online」より引用,『TOCANA』より 引用)

 パーサヴィアランスのプロジェクト科学者であるケン・ファーリーは、「チェヤヴァ滝はこれまでに調査した中で最も謎めいた、複雑で重要な岩である」と述べている。また、「一方で、有機物質の発見や、微生物がエネルギー源として利用できる化学反応を示す特徴的な色斑、水の通過を示す明確な証拠がある。しかし、岩がどのように形成されたか、近くの岩がチェヤヴァ滝にどの程度影響を与えたかはまだ解明されていない」としている。