昨今、パワハラやセクハラ・カスハラといったさまざまなハラスメントが社会問題として取り上げられています。実際に、職場での人間関係で悩んだことがある、という人は少なくないと思います。

HiClub株式会社(以下、HiClub)が提供するSNSアプリ「GRAVITY(グラビティ)」では、若年層を対象に「職場のハラスメント問題」のアンケート調査を実施。3人に1人はハラスメントを受けた経験があることや、ハラスメント被害者の6割が職場への相談をしていないことなどが明らかになりました。

3割がハラスメント被害者

厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」によると、過去3年間での企業におけるハラスメントの相談ではパワーハラスメントが6割以上で最も多かったそうです。2022年4月の労働施策総合推進法改正で、パワハラ防止措置がすべての事業者に義務化されるなど、政府の対策も進む一方で、ハラスメントの相談件数の推移は、ほとんどが変化なしであることが現状です。

この度、HiClubが実施した「職場ハラスメント問題」調査においても、直近1年以内に「ハラスメントを受けた」と回答した人が32.8%と、3人に1人がハラスメント被害者であることがわかりました。


提供:GRAVITY

なかでも、「パラーハラスメント」が40.3%で最も多く、「セクシュアルハラスメント(15.5%)」と「モラルハラスメント(15.5%)」が同率で続きます。


提供:GRAVITY

パワーハラスメントでは、「ミスに対してみんなのいる前で上司に叱責された」「何時間も個室で個人指導をされた」「本来上司の担当である仕事の押し付けやサボリの埋め合わせ、本社への虚偽の報告など」といった内容が上がっていました。

そのほか、モラルハラスメントでは「親の顔が見てみたいなど育ちについて言われる」「有無を言わさない」という内容、セクシュアルハラスメントでは、「職員による付け回しや体を触る・叩くという行為に対し、上司に相談したら『あなたが独身で若いから悪い。彼氏がいると言う嘘の噂をながせば彼は近づかなくなるだろう」と言われた」といったものまで、さまざまな状況や悩みがあることがわかりました。

職場へのハラスメント報告・相談は「していない」が6割

職場でハラスメント被害を受けた人に、「職場への報告・相談をしたか」と聞いたところ、61.7%が「していない」と回答。「した」と回答した人が38.3%いたものの、職場への報告・相談をしたあとの職場の対応については「ない」という回答が、なんと81.1%にも上りました。このことから、被害者から職場へのサポートを求めても、適切な対応がされていない実情がうかがえました。


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とはいえ、ハラスメントの悩みを一人で抱え込むのはとてもつらいことでしょう。ハラスメント被害者は、身近な人には相談できているのでしょうか。

「ハラスメントの悩みをどこで相談しているか」を聞くと、ここでも「相談しなかった(31.6%)」が最多の回答でした。相談したと回答した人では、「人事など職場の人(26.2%)」「友人(9.2%)」「親(8.5%)」と続きます。


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ハラスメントは、内容がプライバシーにかかわるため、相談に踏み込めないという人も少なくないようです。

職場の対応をしてもらったという人たちのなかには、「注意勧告をしていたが効果はあまりない」「『あなたも悪かったのではないか』と同性の人事担当に責められた」「上司本人に相談内容をそのまま伝えられたため関係は悪化した」など、適切ではない対応が原因でより精神的に追い詰められる結果になってしまったケースもありました。

ただ、「仕事上のかかわりを減らしてもらった」「本人への叱責・接近禁止令」「ハラスメントをした者は在宅勤務処分になった」など前向きに働いた例もあるようです。

ハラスメントの予防・解消には、まず周囲に相談することもひとつの手段なのかもしれません。