人の一生を左右するのは生まれ持った遺伝子なのか、それとも育った環境なのか――。生誕直後から離れ離れになりお互いを知らずに育った一卵性双生児の半生は驚くべき“シンクロシティ”に満ちたものであったのだ。
■見知らぬ他人の一卵性双生児の半生は驚くほど酷似
人生は遺伝によって先天的にある程度決まっているものなのか、それとも育った環境によって後天的に大きく変わるものなのか。この謎に迫るための格好の対象となるのが一卵性双生児のきょうだいである。
米オハイオ州で1940年に生まれた一卵性双生児は母親が15歳だったため、当時のソーシャルケアの判断で生まれてすぐに養子に出され、法的にもまったく別々の家族に育てられた。2人は成人後かなり経つまでお互いの存在さえ知らなかったのだ。
見知らぬ他人であった一卵性双生児の兄弟だが、驚くべきことに実際にきわめて似通った人生を送っていたのだ。
後に「ジム・ツインズ(Jim Twins)」として知られるようになったきょうだいの類似点はまずその名前だ。
それぞれの養子縁組の家族は、偶然にもジェームズと名づけられ、どちらも略してジムと呼ばれるようになり、それぞれジム・ルイスとジム・スプリンガーとなった。
2人は成人した後に若くして結婚したのだが、偶然にも共にリンダという名前の女性と結婚したのである。
これだけでも驚くべきことだが、最初の結婚は2人共にうまくいかずに離婚した後、2度目に結婚した女性は同じくベティという名前の女性であったのだ。
一致点はこれだけではない。2人は同じ銘柄のビールを好んでおり、同じ銘柄のタバコを吸っていることもわかった。
60キロほど離れた町で暮らしてきた2人は大人になってかなり経つまでお互いの存在を知りようがなかったのだが、あるきっかけできょうだいがいることを知った1人が行政に働きかけ、1979年2月、2人は39歳にしてジム・ツインズとして再会したのだ。
彼らに興味を持った研究者によって2人が性格や病歴を調べるためのテストを受けたところ、同一人物であってもおかしくないきわめて似通ったテスト結果となった。また絵を描くよう依頼されたとき、2人とも同じ絵を描いたのだった。
また彼らが妻との間にもうけた子供の中には誕生日がまったく同じの子供がいれば、同じ名前の子供もいるのである。
不気味過ぎる一致点の多い2人だが違いもいくつか見つかっている。たとえば双子の片方はサンディという女性と3度目の結婚をしているが、もう片方のジムはベティと一緒のままであった。
とはいえ偶然というにはあまりにも出来過ぎた一致が見られるこの2人の半生をどう考えればよいのか。我々の人生は持って生まれた遺伝子によってかなりの程度、決まってしまうということなのか。あるいはそこには“シンクロニシティ”などの超心理学的な作用が働いているのだろうか。
この世のどこかに自分とほぼ同じ遺伝子配列を持つ者がいると仮定してみると、その人物は今の自分とほとんど同じような人生をどこかで送っているのかもしれない!?
参考:「UNILAD」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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