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ライディングシューズに何を求めるかは人それぞれ。でもツーリングや街乗りで使いやすいライディングシューズはどんなものかと考えてみると、ライディングのしやすさはもちろん、歩きやすさにも配慮したいものです。

1日中ひたすらバイクに乗り続けるような極端な例を除き、休日のツーリングはバイクに乗ってお気に入りのスポットへ出かけて散策を楽しんだり、名物グルメを楽しんだりと、バイクに乗っていない時間もそれなりにあります。そんなとき、ライディングだけにフォーカスしたシューズやブーツだと、足が疲れたり歩きづらかったり、やっぱりいろんな不満も出てきてしまうもの。

今回お勧めするフラッグシップのフィールドライドシューズは、ライディングに必要な機能性を盛り込みながら、履きやすさと歩きやすさにもしっかりフォーカスした作りで、巷のライダーに人気のシューズです。その人気の理由はどこにあるのでしょう。ここからは、その特徴を細かくチェックしながら、実際の使用感についてもレポートしていきます。

フラッグシップ:FSB803フィールドライドシューズ ¥21,780 (税込)

フィールドライドシューズは合成皮革や樹脂素材など様々な素材を組み合わせたライディングシューズ。そのシルエットは、ちょうどハイカットのスニーカーのように、くるぶしの上までしっかり足首をホールドするデザインです。ブーツほど長くない丈に設定していることで履きやすさと動きやすさを両立。また、その近未来的なデザインも独創的で、昨今の最新バイクと組み合わせても違和感はないでしょう。

フィールドライドシューズには上のグレーのほか、オリーブとブラックの計3種類のカラーを用意。唯一無二のデザインを引き立てるシンプルなカラーは、バイクやウエアとの相性であれこれ悩む必要もありません。

ワンタッチで締め付けの調整が可能な「SPINONシステム」がスゴイ

フラッグシップのフィールドライドシューズ最大の特徴がこの「SPINONシステム」と呼ばれる調整機構です。シューレースでもなく、そしてバックルでもない独創的なシステムは、極細のワイヤーとシューズ外側に設けた2カ所のノブだけでシューズのフィット感を調整します。

足の甲と足首側の2カ所に配置したノブは、時計回りに締め込むとワイヤーが引っ張られてシューズが足にフィット。緩める際はノブを軽く引っ張ってシューズのテンションを緩めるだけ。とてもシンプルな作りです。

SPINONシステムはその調整幅の広さも特徴です。

写真左下は、目一杯締め込んだ状態で右下はやや緩めに締め込んだ状態です。仮にシューレースで同じようなことをすると、シューレースの起点から1列ずつ紐を引っ張って……を繰り返す必要があって面倒ですが、SPINONシステムならものの数十秒でフィット感を調整可能です。

しかも調整ノブは2カ所あるので、足首はタイトにホールドさせつつ、甲側には少し余裕を持たせたい時などにはとても重宝します。ちなみに、筆者の足の形状は日本人に多い幅広甲高。足のサイズだけでシューズを選ぶと、甲が痛くなったり幅が足りずに足が痛くなることが多く、サイズをワンサイズあげることもしばしば。ただ、そうなると他の部位はオーバーサイズとなり、結果的にフィット感が失われてしまうのです。しかしフィールドライドシューズは日本人の足にも合う足型を採用しつつ、前述のSPINONシステムを採用しているので、足の形状を問わず適切なフィット感を得ることができるはずです。

例えば、休日のツーリングに出掛けて昼食をとる際に座敷へ通されたり、出先の温泉に立ち寄ったり……ブーツやシューズを脱ぐのが面倒だからと、そうしたスポットを回避したくなった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。気軽に脱ぎ履きできるSPINONシステムならそうしたシーンでも安心ですね。

シューズを緩めるときは、ノブを写真のように少しだけ引っ張るだけ。この状態でシューズを左右に広げたりタンを引っ張ったりすれば、すぐにテンションを緩めることができます。ノブを引っ張るのはほんのわずか。カチっとしたクリック感がノブが引き上げられた合図です。

テンションを緩めたらパチっと音がするまでノブを押し戻しましょう。この状態からは再び締め込むことができます。このノブはワンウェイで、締め込みの際には時計方向にしか回りません。ですから、締め込んだはずなのに急に緩む、なんてこともありません。

実際にフィールドライドシューズを履いて、往復300kmのショートツーリングに出掛けてみました。季節は11月下旬、すでに防寒装備はフルに近い状態ゆえ、グローブも真冬仕様です。しかし、バイクに乗ったままでもノブをつまみやすく、テンションの調整も簡単でした。