ICT市場調査コンサルティングのMM総研が発表した調査結果によると、2022年度の中古スマホ販売台数は、前年度比10.4%増の234万台となり過去最高を記録した。ハイスペック化だけでなく、円安や部材費高騰に伴う新端末の高価格化に加え、実質賃金の伸び悩みなど家計が圧迫される中、今後も中古スマホ需要は増していくものと予測される。
中古スマホ人気の背景には個人による複数端末利用の増加や法人の需要の高まりも
この調査結果は、WEBアンケートや中古スマホのECサイト・にこスマを運営するBelongのデータを参考に行われたもの。それによると、過去最高の売り上げを記録した背景として、ユーザーの経済的事情だけでなく、メイン端末以外に用途に応じて端末を使いわける、複数端末利用の増加も挙げられている。さらに、コスト削減やSDGsの観点から、法人による利用増加もあると推測される。
iPhoneの場合、中古価格もやや高止まりする傾向があるようだが、ともあれこの傾向は今後も続くものと見込まれ、MM総研では、2023年度の市場規模を257万台(9.8%増)と予測している。
2021年度に比べIMEI記載端末の取引は減少するも、フリマ取引やECサイトでのオンライン販売が今後の主流に
中古スマホ末取扱い事業者の自社ECサイトや、外部のECモールのほか、フリマサービスを利用した取引も引き続き好調のようだ。これまで店頭販売が主流だった中古スマホ市場だが、コロナ禍をきっかけにオンラインでの購入比率が増加した。中古スマホは端末ごとにキズの状態やバッテリー残量が異なるため、店頭で実際に手に取って購入を検討するのが主流だった。
しかし近年では、端末の状態に関する詳細な記載や、さまざまな角度から撮った画像の掲載、端末の外装状態のランク付けなどの施策により、オンラインでも安心して、中古スマートフォンを購入できるようになったことも背景にあると考えられる。
Belongが発表した「2022年度(2022年4⽉〜2023年3⽉)中古スマートフォン取引実績調査レポート(フリマ市場)」によると、IMEI(製造番号)が記載されているスマホの取引件数は2021年度の36.2万件に対し、2022年度は32.3万件で前年度比10.8%減となった。IMEI記載の有無は、ネットワーク利用制限やアクティベーションロックの状況確認に必要なため、スマートフォンリテラシーの高い層は取引において、IMEIを明示するケースが多いとされる。
2022年度実績における取引件数の減少について、MM総研では「スマートフォンリテラシーの比較的高くないライト層による出品が年々増加していることで、IMEI記載比率が減少したため」と推測しているが、いずれにせよ、今後もフリマサービスでの取引や、中古端末販売事業者によるオンライン販売が増えていくことは間違いなさそうだ。
出典元:【MM総研】
参照元:【株式会社Belong/PR TIMES】
※サムネイル画像は(Image:「ゲオオンラインストア」より引用)
文・オトナライフ/提供元・オトナライフ
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