「5か年計画」の最終年に出会った待望の企画
ー詩歩さんにとって、本作は初めての主演映画。
とても光栄なことなのですが、私には荷が重いなと(笑)。主演となると、観客動員とか気になるじゃないですか。私自身は主演よりも、主人公を励ましたり、物語を支えるようなキャラクターのほうが合っていると思っています。でも、今回は私が主演した短編映画から始まった企画ですし、シナリオを渡されたときには「この役を演じられるのは私しかいない」と思えました。トータルで1週間ちょっとの撮影はハードでしたが、最後までやり切れてよかった。米国オースティンのファンタスティック・フェスとイタリアのトリノ映画祭には私も参加させていただき、映画を見終わったお客さんたちからデーモン語で話し掛けられて楽しかったです。現地の方たちと「ギャギャ?」「ギャギャギャ~」だけで会話できちゃいました(笑)。
ー詩歩さんは、宇賀那監督とどのようにして出会ったんでしょうか?
大学卒業後はOLとして事務仕事をしていたんです。昔から「女優になりたい」という夢はあったんですが、どうすれば女優になれるのか分からずにズルズル過ごしていました。このままじゃダメだと思い、「映画監督からダメ出しされれば、諦めがつくかも」と思い、宇賀那監督のワークショップを受講したんです。エチュードで役者たちが即興的に芝居をつくっていくのも面白かったですし、役者経験のある宇賀那監督の指導も親切でした。今回、共演した平井早紀さん、田中爽一郎さんも同じワークショップの出身です。それで宇賀那監督から「一緒に映画をやろうよ」と声を掛けられ、宇賀那監督の『魔法少年★ワイルドバージン』(19年)に出演しました。同時期にオーディションを受けて、山戸結希監督らのオムニバス映画『21世紀の女の子』(18年)などにも出演するようになったんです。
ー勤めていた会社は辞めて、女優業に専念することにしたんですね。
理解のある職場で「やりたいことがあるので」と退職を申し出たところ、アルバイト契約で仕事を続けることを勧められました。ありがたかったです。でも、中途半端な立場だと会社の迷惑にもなるので、アルバイト契約は1年ほどで終えました。女優になるぞと決めた際に「5か年計画」を立たんです。まず最初に「所属事務所を決める」から始め、5年目の最終目標が「代表作を残す」でした。その5年目の作品が『悪魔がはらわたでー』なんです。女優としての代表作をとは思っていましたが、まさか長編映画に主演するとは思ってもいませんでした(笑)。
ーインディーズ映画の面白さをどんなところに感じていますか?
インディーズ映画は予算が限られていて、撮影現場もハードですが、キャストとスタッフが一緒になって、創作している感じがすごくするんです。キャストも手が空いているときは、スタッフの仕事を手伝います。衣装が届かなかったり、小道具がなかったりとトラブルはいろいろと起きますが、そんな状況をどう乗り切るのかもインディーズ映画の醍醐味ですね(笑)。スタッフとキャストが懸命に撮った映画が、公開されずにお蔵入りしてしまった悲しい体験もありました。今回は宇賀那監督たちと撮った作品が無事に公開されるので、サイコーの気分です。公開前には決起会を開いて、大いに盛り上がりたいと思います(笑)。
取材・文=長野辰次
映画『悪魔がはらわたで いけにえで私』
監督・脚本/宇賀那健一
出演/詩歩、野村啓介、平井早紀、板橋春樹、遠藤隆太、三浦健人、石原理衣、白土りょうすけ、荒岡龍星、田中爽一郎、松川遙菜、ロイド・カウフマン
配給/エクストリーム R15+ 2月21日(金)より池袋シネマ・ロサ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国ロードショー
(C)「悪魔がはらわたでいけにえで私」製作委員会
●詩歩(しほ)
1994年5月10日 千葉県出身。
主な出演作に、映画『21世紀の女の子』(18年)、『#平成最後映画』(19年)、『魔法少年★ワイルドバージン』(19年)、『親密な他人』(22年)、『 沈黙のパレード』(22年)、『啄む嘴』(22年)などがある。
『宇賀那健一監督の『悪魔がはらわたで いけにえで私』で長編映画初主演を果たした。
公開待機作に、映画『みーんな、宇宙人。』が控えている。
趣味は日本酒、特技はジャズダンス、エレクトーン、習字。
提供元・Business Journal
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