ドゴン族は、マリ共和国のバンディアガラ山に住む民族であり、人口約25万人で700ほどの村に点在している。彼らは、近代文明と接触していない部族であると言われているが、不思議な神話体系を持っていると言われており、近代人が科学によって証明するまでわからなかった天文知識をすでに備えていたと言われている。
【即日発行OK】今すぐ作れ シリウスは、明るい主星とその周りにある伴星というものが存在しているのだが、シリウス伴星は目視できないほどに暗く、また地球に近い大きさであるにもかかわらず太陽と同じくらいに質量がある。しかし、ドゴン族の伝承にはシリウスの周囲に「フォニオの星」(ポ・トロ)という目に見えない星があり、それはサガラという重い金属でできていると言われているというのである。
また、ドゴン族にはシリウスの公転する楕円軌道図も残されており、さらには1610年にガリレオが発見した木星の4つの衛星や土星の輪のことも伝承されていたのだという。こうしたことから、ドゴン族の天文知識は地球外生命体からもたらされたとまで考えられた。
だが、このドゴン族の天文知識については、捏造の疑いがなされている。この話は、古代宇宙飛行士説の熱心な支持者であった作家ロバート・テンプルが広めた話であると言われている。彼には『知の起源-文明はシリウスから来た』などをはじめオーパーツを扱った著作があるが、検証が得意ではなく誇張や誤った記述が多いと指摘する声も多いという。
軌道図と呼ばれていたものは、ドゴン族が何かを囲むのに楕円を使用していたというだけであり、しかもテンプルは自説の主張のためにドゴン族のシリウス恒星系の図を別物と言えるほどに改変していたのだ。木星の衛星は4つだけでなく現在までに数十も発見されており、土星の環については触れているのに天王星や海王星の輪には触れていない。
テンプルのドゴン族に関する記述は、ドゴン族の調査を行なった民俗学者のマルセル・グリオールの報告に基づいていると言われている。奇妙なことに1931年の調査ではシリウス伴星に関する報告が無く、1946年以降の調査で報告されるようになったと言う。
実は、ドゴン族は近代文明から隔絶されていたわけではなく、19世紀半ばからはイスラム教徒の商隊と交流しており、またフランスの植民地化など西洋文化との接触が確認されている。西洋の知識がどこかで取り入れられ、それが一世代ほどの短いスパンで「伝承」と呼ばれるようになった可能性が示唆されている。
だが、さらに注目すべきはドゴン族のいう「フォニオの星」というものが、グリオールの調査隊の中でしか話されていなかったという疑惑である。ドゴン族と11年間過ごした人類学者ワルター・ピークなどの報告によると、「フォニオの星」の話は広まっておらず、シリウスが連星であることも知られていなかったという。
こうしたことから、ドゴン族のシリウス神話に近代の天文知識が盛り込まれた大きな要因は、グリオールによる自作自演だったのではないかという説もある。ドゴン族は学者や作家たちの承認欲求に利用されただけなのかもしれない。
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文=黒蠍けいすけ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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提供元・TOCANA
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