ビジネスの構造上の違い
ちなみにオーケーの「肉厚フライドチキン(骨無し)」は2個入りで301円となっており、コスパ的にKFCと比べてオーケーのほうが優れているという声が出てもおかしくはないが、なぜこのような価格差が生じるのだろうか。
「KFCの『オリジナルチキン』は“同チェーンの顔”ともいえる商品だけに、非常に手間暇をかけてつくられており、その点でスーパーの総菜よりはクオリティが高いということになる。ただ、店内で食べるならまだしも、『揚げた鶏肉』という商品の特性上、テイクアウトなどで時間がたつと油でべちゃっとなってしまい、価格ほどの価値があると多くの消費者が考えるのかは微妙なところだろう。
また、スーパーにとって総菜類というのは集客を左右する非常に重要なアイテムであるため力を入れつつ価格も安く抑えるが、スーパーの場合は店内で取り扱う無数の商品と合わせて店全体で利益が出せればよく、惣菜類の利幅が小さくても他の商品カテゴリーでカバーできる。一方、KFCは限られた商品ラインナップのなかで利益を確保する必要があり、一部の商品だけ採算を度外視して安くするというのが難しい。
このようにビジネスの構造上の違いにより、コスパという面だけみればファストフードチェーンはスーパーの総菜には勝ちにくい。『KFCでオリジナルチキンを買うくらいならオーケーでカツ丼を買ったほうがオトク』というのは、その通りということになる。もっとも、KFCの『オリジナルチキン』には根強いファンが一定数おり、フライドチキン専門チェーンは事実上KFC一強状態なので、KFCとしては多少値上げしても客離れが起きないという計算があるのだろう」
外食チェーン関係者はいう。
「KFCが『オリジナルチキン』の高いクオリティ維持に注力している点は確かだが、それがどこまで顧客に伝わるのかは結局は顧客次第。また、店舗数でみるとマクドナルドの約3分の1くらいの規模のため、マクドナルドと比較すると原材料調達や店舗搬入前の食材加工、IT投資などあらゆる面で規模の経済が効きにくく、結果的にそれが価格差に反映されることになる。たとえばマクドナルドは1月にフライドチキンをパティに使う『マックチキン』を180円で発売したが、KFCの440円の『チキンフィレバーガー』と比べても全然遜色がないという評判も聞こえてくる。商品の種類数もマクドナルドのほうが多く、オリジナルチキン一本足のKFCが厳しい戦いを強いられている面はあるだろう」
(文=Business Journal編集部)
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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