ところがこの1-2年、電気自動車には逆風が吹き始め、もろ手を挙げて推進した様相から選択の時代になり、一部車種のEV開発中断を発表したフォードやGMとサムスンのEV電池工場の稼働延期といったニュースが散見できます。言い方を変えると、アーリーアダプターからアーリーマジョリティへのマーケティングセグメントの移行に苦心していると言えます。マーケティング上、最も先に飛びつくイノベーターとアーリーアダプターの市場占有率は16%程度とされています。よって先進国で一定のEVインフラが整備されている市場を参照すれば今のEV市場はばらつきはありますが、ざっくりそのあたりで足踏みになっていると言えます。

踊り場のEV PlargueDoctor/iStock

太陽光発電も正直、今後の展開は悩ましい気がします。陽が出ている時しか発電できない、だけど基本的に貯めておくことが出来ないという中でどうバランスを取っていくのか苦慮してる、そんな様子も見て取れます。

一部では蓄電をさらに推し進めるという見方もあります。テスラ社では会社の主軸をEV自動車から蓄電ビジネスに移行するのではないか、という噂も一時期ありました。多分、電池の蓄電技術の推進を更に推し進めるべく知恵を絞っていると察します。一方の日本では蓄電は悪なのか、電力会社と政府の結託なのか、さっぱり良い話を聞かず、東京ガスのエネファームもあまり目立たず、性能的にも制約を受けた事業展開になっていると理解しています。

個人的には蓄電は今後、確実に主導されるビジネスになるとみています。流れるものを需給に合わせて調整するという神の手のような技に頼っていることが閉鎖的技術ともいえ、蓄電ができることで電源エネルギーは根本的に大きく変わるとみています。

では、その燃料でありますが、太陽光や風力といった自然エネルギーでもよいですが、基本は天然ガスが当面は主軸になると考えています。多くの方は案外気がついていないかもしれませんが、日本の電源の燃料源は天然ガスが34%程度で1番です。2番目が石炭で31%程度、石油は8%強で太陽光の9%より少なく、水力とほぼ変わらないレベルなのです。