特のこの影響は2回以上家族の死を経験した場合に顕著だったという。

単純に「家族を失ったことがあるか、ないか」だけでなく、その頻度が高いほど、影響は大きくなるようです。

実際、2回以上の流産を経験した母親は特に生物学的年齢が高く、その傾向は流産を1回経験した人や流産の経験がない人よりも強いものとなっていました。

また、家族を失うことでもたらされる健康リスクの増大は、どの年齢にも当てはまりますが、アイエロ氏らは、「幼少期や成人初期」など重要な発達期において、より深刻な影響を受ける可能性があると述べています。

18歳未満の場合、すぐに老化が生じることはありませんが、このときのストレスは人生全体にわたって長期的な影響を及ぼす可能性があり、今回の研究では後年の調査により成人後の老化速度を加速させていることが確認されています。

愛する人の死は、遅かれ早かれ、ほとんどの人が経験するものですが、そのタイミングや頻度によって、健康リスクが増大したり、老化が早まったりすると分かりますね。

アイエロ氏は、「今後の研究では、そのような人の悲しみを軽減する方法を見つけることに力を注ぐべきだ」と続けています。

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参考文献

Losing a Loved One May Speed Up Aging, Study Finds
https://www.publichealth.columbia.edu/news/losing-loved-one-may-speed-aging-study-finds

元論文

Familial Loss of a Loved One and Biological Aging NIMHD Social Epigenomics Program
https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2024.21869

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。