経営陣が最終的に判断

 KADOKAWAの判断をどうとらえるべきか。中堅IT企業の役員はいう。

「個々の企業の経営判断によるので、なんともいえない。情報を漏洩されてしまうことで被る損失より、身代金の金額のほうが低いと判断して支払うというケースもあるだろうし、そうした損得勘定を抜きに『いかなる理由があっても支払うべきではない』という判断もあるだろう。KADOKAWAはサイバー攻撃の影響で36億円の特別損失を計上しており、この金額だけを見れば身代金の11億円を払ったほうが安かったということになるが、遅かれ早かれセキュリティ対策の強化を含めたシステム再構築はやらなければならなかったかもしれないし、情報漏洩に伴うお詫び金や損害賠償の支払いとは別に、企業の信用低下や情報を漏洩された人の迷惑度など、具体的な金額として算出できない損失というのもある。よって、身代金を支払ったほうが安く済んだのかどうなのかは算定のしようがない。

 同社が支払い要求に応じなかったのは確固としたポリシーに基づくものだった可能性もあり、取引先やユーザをはじめとする多数のステークホルダーへの影響、攻撃で影響を受けたシステム・業務の範囲・重要性などさまざまな要素を勘案し、経営陣が最終的に判断を下したものなので、外部からとやかく言われる筋合いのものではない」

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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