この背景として、従来は人間がこなしてきていた金融アナリスト・イラストレーター・研究職・事務職など「ホワイトカラー」と言われている職種などの幅広い分野において、AIに代替されてしまう可能性を指摘。どうしても「自分のやっていることを変化させなければいけない」事態が起きてしまうとのことです。

研究者である今井氏本人も、自身の業務はどこかで変わってしまう可能性もあると考えているとのこと。実際に、「AIサイエンティスト」というAI手法の登場によって、論文を読み、提案を考えて発表する過程の8割程をAIができるようになったそうです。

AIを学ぶには、何から始めるべき?

スキルギャップを埋める最善策は、平野氏によると「組織の内発的動機付け」とのこと。従業員を促す外発的な動機ではなく、“なぜリスキリングの必要性があるのか”を当事者たちが理解し、より主体的に取り組む必要があるといいます。

同社では、管理者向けに適用のトレーニング、社員・リスキリング対象者向けにはチェンジマインドセットのワークショップを実施し、より主体的に取り組める状態を目指し、内発的動機を持てるような取り組みをおこなっているそうです。

今井氏は、生成AIが事実とは違う情報を生成する「ハルシネーション」を起こしたり、データの取得時間によってリアルタイムの事象には対応できなかったりすることがあるもので、メディアからつまみ食いした情報をもとに業務で使おうとすると失敗することもあるため、まずは「体系的な知識を身につけることが非常に重要」とアドバイスしました。