日本を代表する名門私立大学の一つ、慶應義塾大学。とりわけ、SFC(湘南藤沢キャンパス)が実施するAO入試(現・総合型選抜)は受験関係者の間でも「最難関」といわれています。筆者は2011年からAO推薦入試専門塾KOSSUN教育ラボの代表として受験生の指導に携わってきました。中でも慶應義塾大学SFC(慶應SFC)は塾生から圧倒的な人気を誇り、噂に違わぬハイレベルな激戦であることを実感しています。そこで、ここでは慶應SFCがAO入試の最難関と評される理由を三つ紹介します。
理由1:歴史がある
もともと、AO入試は米国発祥の入試方式といわれています。現在も米国ではハーバード大学をはじめ、ほとんどの入試がAO型によって行われます。海外でもメジャーな方式の一つとして知られていますが、日本で初めてAO入試が実施されたのは90年頃です。慶應SFCの総合政策学部と環境情報学部が先駆けとなりました(初代アドミッションズ・オフィスセンター長は、郵政民営化担当大臣などを歴任した竹中平蔵名誉教授)。35年以上にわたる歴史があるため、入試としての完成度は極めて高いといえます。だからこそ、受験生は生半可な気持ちでは到底太刀打ちできません。勝負を挑むには、断固たる決意が必要なのです。
理由2:課題が多い
慶應SFCのAO入試の特徴の一つに、出願書類のボリュームが多い点が挙げられます。選抜は2段階に分かれており、一次選考で書類審査、二次選考で面接審査が課されます。第一関門となる書類審査では、さまざまな出願書類の作成が求められます。例えば、志望理由書、自由記述、志願者評価などと多岐にわたります。一つ一つの課題で問われている内容はシンプルですが、ボリュームが多いため作成に一定の時間がかかります。受験生は何度も推敲を重ねて合格水準の出願書類に仕上げるため、決して楽な受験とはなりません。出願までに時間のない受験生はその分、合格までのハードルも上がることを覚悟しなければなりません。
理由3:面接が長い
慶應SFCのAO入試で最終関門となるのが面接です。それも複数人の大学教員を相手に約30分もの間、攻防戦が行われます。大学の面接時間としては、かなり長い部類に入ります。さらに、単純に時間が長いだけではありません。過去には「泣きながら面接室を出てくる受験生がいた」「入室5分も経たずに打ち切られてしまった」など、いわゆる、圧迫面接を受けたという受験生も少なからず存在します。その実態はベールに包まれていますが、当日の緊迫した様子が伺えます。基本的に大学面接において、圧迫面接は行われませんが、受験生の受け取り方次第で相応に厳しい印象を受けたという事実は否定できないでしょう。
十分に時間をかけて適切な準備を
慶應SFCのAO入試が最難関といわれる所以についてお伝えしてきましたが、小手先の対策で通用するほど甘くないことはご理解いただけたと思います。もし、それを承知の上で受験を決めたならば、十分に時間をかけて適切な準備を行なって臨んでください。(KOSSUN教育ラボ・小杉樹彦)
提供元・BCN+R
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