こうした理由で、コロンビア留学組はハーバード留学組より現在のところ人数の点で劣勢だが、各種世論調査によれば支持率という点で小泉氏を上回るハーバード留学組はいない。因みに、コロンビア大にもハーバード同様のポリシー・スクールはあるものの(School of International and Public Affairs)、小泉氏が学んだのはそこではなく、より学術的色彩の濃い総合型大学院(School of Arts and Sciences)である。

さらに視野を広げ、アメリカ留学組という、より大きな括り方をすれば、河野太郎氏と野田聖子氏の2人が該当する。

ここ数年(上記の記事以降)、閣僚として英語でスピーチをする場面が頻繁にニュースとして取り上げられたので、河野氏が留学経験者であり、その学舎が首都ワシントンDCにあるジョージタウン大学(学部レベル)であることはよく知られるようになった。

その反面、野田聖子氏がミシガン州の高校を卒業していることは案外知られていないのではないか。他の候補者のように高等教育(大学及び大学院)レベルの留学ではないものの、最も早期に(若くして)留学したということは、彼女こそ最もグローバルな考え方の持ち主と言えなくもない。

他にも、留学ではないものの米国で勤務した経験のある候補者が1人いる。米国の議員事務所で働いていたという高市早苗氏である。

こうしてみると、今回立候補が取り沙汰されている11〜12名のうち、実に9名が留学など何らかの形で米国との関係を保持していることがわかる(逆に他の候補はその青年時代、米国を含む海外での経験が皆無または希薄である)。

特筆すべきは、リーダー候補のこうした傾向が政権与党である自民党特有のものであり、ほぼ同じ時期に党首選を実施予定の立憲民主党を含め野党には一切見られないということである。

考えてみれば、現首相の岸田氏にもニューヨークの小学校に3年間通っていたという幼い米留学歴があり(これも留学の一つである)、凶弾に倒れた安倍元首相は、学位こそ取得していないものの成蹊大の学生時代に南カリフォルニア大学への留学経験がある。