JR西八王子駅前きぬた歯科と聞くと、行ったことはなくてもあのインパクトのある顔の看板広告を覚えている人は多いと思います。
「異端であれ!」(リンク先はAmazon)の著者であるきぬた泰和氏は看板広告にマーケティング特化させ、年間約2億円を看板広告につぎ込んでいるそうです。
看板の数は、日本全国に約250箇所となっており、「伝説の看板王」と呼ばれています。
自身の顔写真とJR西八王子駅前のコンビネーションの看板が、西八王子とは関係のなさそうな場所にあちこち掲示されている。
それが消費者の違和感を生み出し「この歯医者は何者だ?」という好奇心を刺激します。やがてSNSなどでもバズるようになり、顧客獲得につながっていると言うのです。
まさに、異端の広告宣伝戦略です。
一方で、きぬた歯科とは真逆の戦略もあります。恵比寿にある中村玄などの人気店を経営するイイコの代表である横山貴子氏は著書「逃げるが勝ち」(リンク先はAmazon)の中で、看板も価格もないお店が良いと、独自のマーケティング理論を展開しています。
女性が経営するお店だから、変な客が入ってこないほうが良い。通りすがりの人は、むしろ入ってこないほうが良いという考え方です。
その代わりにやったのは「店に来て欲しい雰囲気を持った人」をお店の近くで見つけては声をかける。いわゆる「キャッチ」と呼ばれる泥臭い営業手法です。
そして、お店はわかりにくい場所にあって看板もない隠れ家っぽい雰囲気。女性を同伴する男性の自己顕示力や承認欲求を満たすことで、リピーターを増やしていく。
誰でもできる方法ではなく、横山氏の類い稀な営業テクニックがあって通用した方法です。そして地域密着の飲食店だからこそ成り立つマーケティング戦略といえます。
規模の違いはあれ、どちらも経営的に成功しています。
2人から学ぶべきことは、中途半端な広告宣伝ならやらない方が良いということです。やるなら徹底的にやる。やらないならその方法を突き通す。