新しいゲーム機が発売されると、それを購入するかどうか悩む人は少なくありません。
ゲーム好きな人でも「忙しくてなかなかプレイできない」「高い」などの理由で、ゲーム機の購入を躊躇してしまったという人は多いのではないでしょうか。
しかし最近、日本大学経済学部に所属する江上弘幸氏ら研究チームは、PS5(PlayStation 5)やSwitch(Nintendo Switch)などのゲーム機を所有した人は、生活満足度を向上させ、心理的苦痛が軽減されていると報告しました。
研究の詳細は、2024年8月19日付の科学誌『Nature Human Behaviour』に掲載されました。
迷っているなら思い切って買うことで、日々の満足感が増すかもしれません。
目次
- 「PS5とSwitchの抽選販売」を利用した自然実験
- PS5とSwitchを所持していることが生活満足度を向上させていた
「PS5とSwitchの抽選販売」を利用した自然実験
ゲームの影響を扱った研究は数多く存在していますが、結果は様々です。
ゲームが中毒症状を引き起こす恐れがあることを示した研究もあれば、ゲームが認知機能を高め、プレイヤーの幸福度が増すことを示唆した研究もあります。
この分野の研究の限界の1つは、「日常生活での影響を調査するのが難しい」という点です。
ゲームに関する過去の研究の多くは、管理された実験室など特殊な環境で行われており、それが結果に影響を与えている可能性があるのです。
そこで江上氏ら研究チームは、新型コロナウイルスのパンデミックが生じた際に、実験室の外でゲームの影響を調査する機会を見出しました。
パンデミック中は外出が制限されるため、世界中でゲームをプレイする人が急増しました。