100年以上前から多くの船舶や航空機が消息を絶ってきた「魔の三角海域」ことバミューダ・トライアングルは世界的に有名だ。謎の失踪事件が相次ぐ要因について、現在では科学的な検証も行われており、真相の解明に向け、結論が出るのも時間の問題となった。

 一方、中国国内にも多くの人々が原因不明の失踪を遂げるミステリースポットが存在する。古来より「呪われた湖」「さまよえる湖」と呼ばれてきたロプノール湖についてご紹介したい。

新疆ウイグル自治区のタリム盆地には、かつて巨大な塩湖・ロプノール湖が存在した。湖を形成する付近の川の流路がたびたび変化することで湖の形も変化し、「さまよえる湖」とも呼ばれていたが、現在では完全に干上がり、地理的には消滅してしまっている。

 そんなロプノール湖だが、これまで数々の不可思議な失踪事件の舞台となってきた。

 最初の事件は1949年にさかのぼる。重慶から現在のウルムチ間を飛行していた軍用機が、湖周辺の上空を飛行中、突然消息を絶ったのだ。事件から9年後、消息を絶った軍用機は湖周辺の地域から発見され、機内からは乗組員全員の遺体が回収された。事故の原因について調査した当局は、軍用機は上空で突然無理な方向転換を行った形跡があるとして、この方向転換が失敗し、墜落したのではないかと結論付けた。しかし、事故発生から70年がたった今でも、その理由は謎に包まれている。

 80年には中国の著名な生物学者・彭加木が、湖周辺を探索中に謎の失踪を遂げた。当時、彭は国家の研究機関である中国科学院の新疆支部院長を務めていた。つまり、国の研究プロジェクト中に行方不明となったのだ。彭が探索していた当時、すでに湖は干上がっており、彭は湖底だった場所の研究をするために現地を訪れていた。彭の消息を追うため、政府は軍による捜索を展開し、警察犬や軍用機も動員されたが、現在までに彭の遺体さえも発見できていない。

侵入者が次々失踪&謎の死を遂げる“中国最凶ミステリースポット”「さまよえる湖」の呪いとは…
(画像=ロプノールの衛星画像 画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

 その後も、90年には湖跡地周辺で水晶の発掘作業を行っていた7名が謎の失踪している。また95年には、湖周辺を車で走行していた3名が行方不明となり、後に2名の遺体が発見された。しかし、彼らが乗っていた自動車にはガソリンや飲料水が豊富に積まれており、自動車の故障などもなかったのだ。彼らが死亡した経緯については今も謎のままである。さらに96年には湖跡地を探索していた探検家の男性が行方不明に、97年には親子3人が行方不明に、さらに97年には4名が行方不明となっている。

 実はロプノール湖周辺では、古来より財宝伝説や金鉱の存在がささやかれてきた。湖周辺を訪れる人々の中には、こうした財宝や金鉱を目当てに訪れる者も多いのだ。しかし現在でも、なぜ人々が相次いで失踪するかについては原因がわかっていない。62年に干上がり姿を消したロプノール湖だが、「さまよえる湖」の呪いはまだ続いているのかもしれない。

※当記事は2019年の記事を再編集して掲載しています。

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提供元・TOCANA

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