2018年から3年間、ETRIは、ソウル瑞草区と共同で地域内の32,656件のCCTV事件・事故のビッグデータを分析し、犯罪予測地図(PCM)を開発した。

PCMは過去の犯罪統計情報をもとに、犯罪の発生日時、場所、強盗犯罪、交通事故、火災などの事件タイプ別に分類し、犯罪発生の可能性が高い地域を強調するという。また、リアルタイムの犯罪危険度を画面に提示することも可能だ。なお、PCMは韓国情報通信技術協会(TTA)の性能試験で82.8%の精度を達成している。

再犯のリスクを予測する技術

Dejaviewのもう1つの主要コンポーネントは、電子監視下にある“再犯のリスクが高い人物”を対象として「個人の再犯予測技術」だ。

この技術が既存のシステム組み込まれると、対象者が繰り返し移動制限の規定を違反した場合の再犯リスクを分析することが可能になる。分析性能は95%で、ソウル保護観察所に併設された「位置追跡中央管制センター」で活用可能な技術として期待されている。

ETRIの研究チームは、今回開発した技術を安全サービスに特化したシステムに発展させる計画だ。例えば空港、エネルギー施設、工場といった施設の危険事前対応システム、国家主要行事の安全システム、地域別の犯罪特性を考慮した現場カスタマイズ型犯罪予測システムなどに適用するという。

今後、ETRIは全国の法執行機関や地方自治体のCCTVコントロールセンターと連携し、Dejaviewの技術を実際の警察活動に導入するとのこと。また、監視対象者の高リスク行動を事前に特定するAIベースの監視技術の拡大を目指す方針だ。

(文・Haruka Isobe)