今自分が夢の中にいることがわかる夢、いわゆる「明晰夢」を見過ぎるとどうなるのか。一説では時間の感覚が歪み、感覚が変化し、人生そのものが夢になってしまうという――。
■「明晰夢」を見過ぎるとどうなるのか?
明晰夢(lucid dream)とは、就寝時に夢を見ているが、自分が夢を見ていることに気づいている状態である。夢の中でも意識があるということは、見ている夢の世界でもある程度自分の意思を反映した言動に出ることができるのである。
明晰夢を見やすい者もいるが、後天的に習得できるスキルでもある。今では明晰夢について数々のノウハウやテクニックが紹介されており、夢の世界を自在にコントロールできると主張する剛の者も登場しているようだ。
明晰夢は、ヒンドゥー教や仏教など、世界中の多くの宗教でも活用されてきたことが示唆されている。古代ギリシアの哲学者、アリストテレスも夢を見ている間に意識が覚醒する現象を説明している。
YouTubeチャンネル「TIGER123」の動画では、ネット上の明晰夢のコミュニティで明晰夢の“エキスパート”の身体と感覚への変化が解説されている。
その人物によれば、明晰夢の中では「時間の遅れ」が起きているという。30分程度のうたた寝でも明晰夢を見ると、2時間程度に感じられ、2時間の明晰夢で1日が過ぎたようにも感じられてくるというのだ。
さらに感覚が“上書き”される現象も起きるという。五感の感覚を変えることができるというのだ。それは明晰夢のエキスパートは夢の世界だけでなく、現実世界もコントロールできるとの主張に基づいているという。
現実の中で見たいものが見え、聞きたい音が聞こえるようになり、感覚を自分の望み通りに変えられるようになるとすれば、ある意味では素晴らしいことだが、別の解釈ではそれは“幻覚”を見る能力が養われてしまったからだとの指摘もある。
さらに別の者によれば、そうしたエキスパートは夢や現実を見ているのではなく、空想を逞しく膨らませているだけではないかとの疑惑もあるという。またドラッグの使用を疑う声もある。
さらに驚くべき展開として明晰夢を永遠に見たいと望む者もあらわれたのだが、それに対してもしそんなことを望めば「昏睡状態になるか、死ぬかもしれない」との忠告が差し挟まれている。
しかしそんな言葉にも目もくれず、投稿者は「永遠の夢」を見ると主張し、それ以降の投稿はなくなったのである。2014年のこの投稿の後、この人物に何が起きたのか続報はいっさいない。
専門家によれば明晰夢は習得できるスキルであるが、安全にはじゅうぶんに注意する必要があるという。
英国営メディア「BBC」によると、ベングリオン・ネゲブ大学の臨床心理学研究者、ニリット・ソファー・ドゥデック氏は「大衆メディアでは、明晰夢が人生を変えるとか、それがいかに素晴らしいかなど多くが語っているが、危険性や注意点について語る人はほとんどいない」と説明している。
「これが誰にとって良いことなのか、誰にとって良くないことなのかを考えるという点で、もっと慎重になるべきだと思う」(ドゥデック氏)
“夢の国”にいつまでもいたいと思うのは人情かもしれないが、終わりがあるからこその夢でもあるのだろう。ディズニーランドのファンを見習うべきかもしれない!?
参考:「UNILAD」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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