学歴という意味では「かなり高い」

 小泉氏は2004年に関東学院大学を卒業後、米国コロンビア大学大学院政治学部に留学し、06年に修士号を取得。同年に米国戦略国際問題研究所(CSIS)に研究員として就職している。この経歴について、かねてから一部では「学歴ロンダリング」との声もあった。

「コロンビア大学はアイビーリーグの1校で、その大学院ともなれば世界中から優秀な学生が集まってきています。小泉氏は同大学院で日本政治を研究しているジェラルド・カーティス教授のもとで政治学を学び、父の跡を継ぎたいと希望しました。首都圏の中堅クラスの大学からアイビーリーグの大学院に進学するわけですから、学歴ロンダリングといえばそうでしょう。アメリカの大学・大学院の場合、大学での成績や学力試験だけで合否が決まるわけではありません。推薦やその学生の将来性なども大きく影響します。

 小泉氏の場合、当時、父親は現職の総理大臣でした。日本政治研究をする側からすれば、受け入れるに相当する、と考えるのが当然です。合格には英語力向上(TOEFL600点以上)が必要だったと思われますが、TOEFL600点以上は実用英語検定1級に相当する難易度です。『学歴ロンダリング』『コネを使った』といった批判があり、そう言われても致し方ない部分はあります。ただ、英語力を大きく向上させたことは事実ですし、修士号を取得したのも事実です。入学の経緯はどうあれ、努力してきた点は評価に値するのではないか、と考えます。『人になれ 奉仕せよ』という校訓を掲げる大学を卒業し、自民党総裁選に挑戦しようとしています。この校訓を実現できるかどうか、小泉氏の政治手腕に注目したいと思います」(石渡氏)

 米国留学経験のある大手IT企業管理職はいう。

「基本的にアメリカの名門大学の大学院は成績が悪いと進級すらできず、特に英語がネイティブではない国の学生の落第率は英語ネイティブの学生より高く、優秀ではないと修士号は取得できない。なので、小泉氏の学歴という意味では『かなり高い』といっていい。そもそも小泉氏は小学校から関東学院系列でエスカレーター式で大学まで上がったので、一般入試で関東学院大学に入ったわけではなく、子どものときから将来は政治家になることを見越して、父・小泉純一郎氏の地元である横浜の学校だという理由で入学したのだろうから、関東学院大学のランクと小泉氏の学力を関連づけて論じることにあまり意味はない。

 また、安倍晋三元首相は成蹊大学、菅義偉元首相は法政大学の卒業であり、高学歴とはいえないが、彼らの首相としての功績と学歴に関係があるとはいえないだろう。父・純一郎氏の出身校である慶應義塾大学と進次郎氏の関東学院大学は偏差値的には大きな差があるものの、それが首相としての働きぶりに何か大きな差を生むとは思えない」

(文=Business Journal編集部、協力=石渡嶺司/大学ジャーナリスト)

提供元・Business Journal

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