JR東日本が撮り鉄向け広告を出したワケ

 そこで、Business Journal編集部はJR東日本グループ経営戦略本部に、今回の広告の意図などについて話を聞いた。

――数カ月前から出されている案内だとは存じますが、いわゆる「撮り鉄」に向けた貴社の広告が注目を浴びています。列車の撮影などに関しては、たびたびネット上で話題になりますが、貴社が対応を迫られる迷惑行為等は、どのくらいの件数があるのでしょうか。また、相談や苦情が寄せられるケースも多いのでしょうか。

広報担当「具体的な件数については回答を差し控えさせていただきますが、駅のホームにおいて無断で他のお客さまを撮影し周囲のお客さまにご迷惑をかける行為や、沿線での撮影において線路内に立ち入り列車が非常停車するなど、当社施設内等での撮影において様々な事象が発生しております」

――他社も含め、撮り鉄に対する広告は珍しくありませんが、効果があったといわれるケースはあまりないように思われます。動画やポスターに対し、これまでに反響はありましたでしょうか。

広報担当「お客さまの個別のご感想やご意見については差し控えさせていただきますが、お客さまの安全確保のために、こちらのポスターや動画などをご覧いただくことで、当社施設内等における撮影マナー向上にご協力をいただければと考えております」

――単なる迷惑行為というより、明らかに違法性のある行為もあると思われますが、実際に法的措置を講じる対応を余儀なくされたケースもあるのでしょうか。

広報担当「具体的にどのような法的措置が取れるかは実際の事象ごとに異なりますので、コメントは差し控えさせていただきます」

 鉄道会社にとって撮り鉄のマナー向上は不可避な問題ではあるが、決して敵対的存在ではない。撮り鉄は、珍しい列車が走るとの情報を得れば、全国どこにでも足を運ぶ行動力があり、鉄道会社にとっては重要な集客資源となる。実際に、各鉄道会社は撮り鉄向けのイベントを頻繁に開催しており、共存共栄の道を模索している。果たして、撮り鉄の迷惑行為を減らすことはできるのだろうか。

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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