京野菜「海老芋」

京野菜の「海老芋」、畑で採れるのになぜ「エビ」?その理由は海老芋の姿にあった!!
(画像=『FUNDO』より引用)

「海老芋」は「京野菜」の1つとしても知られています。
「京野菜」とは京都で生産される京都特産の野菜のことです。
これは京都の伝統野菜を指し、ブランドとしての位置付けにも一役買っています。

海老芋のはじまり

「海老芋」は安永年間(1772年~1781年)に青蓮院宮が長崎から持ち帰った里芋の種を栽培したのが始まりと伝えられています。

それを宮家に仕えていた担当者に栽培を託されたところ、良質なものが出来上がり、後に上鳥羽や九条で栽培されるようになりました。

それが現代まで続く「海老芋」の歴史とされています。
つまり、今から約250年前に広まった野菜といえるでしょう。

縁起物ともされる「海老芋」

「海老芋」は縁起物としても重宝されています。
「海老芋」を育てるには種となる芋を植えて栽培しなければなりません。

この種芋が「親芋」となり「親芋」の周りに「子芋」ができます。
その「子芋」からさらに「孫芋」が生まれます。

このように親・子・孫と続けて増えていくことから「海老芋」は子孫繁栄の象徴とされるようになりました。

結果、今でも縁起の良い食材とされているわけです。

主要生産地は静岡県

「海老芋」は京野菜の一種ということで京都府産がメインと思われがちです。

しかし、生産量で見ると静岡県産のものが最も主流です。
そのため、京都の野菜というよりは静岡の野菜となります。

その中で品質に優れた「海老芋」は高級料亭などに仕入れられ、大切に食されています。