時代の文脈を逸脱した2000年以上前の謎のオーパーツ「アンティキティラ島の機械」は最新の研究で太陰暦が採用されていた可能性が指摘されている――。

■謎のオーパーツは太陰暦で計算していた!?

 ギリシャのペロポネソス半島とクレタ島との間に浮かぶ地中海の島、アンティキティラ島沖で1901年に発見された「アンティキティラ島の機械(Antikythera Mechanism)」のミステリーは120年以上にわたり人々を魅了してきたが、近年の研究によりこの驚くべき装置に関する理解が深まっている。

 残された破片から、この機械は日食や惑星の位置などの天体現象を計算するために使用されていた可能性が高いことが明らかになったのだ。

 英グラスゴー大学のグラハム・ウォーン教授とジョセフ・ベイリー博士の2人が「The Horological Journal」7月号で発表した研究では、重力波研究で一般的に使用される統計的手法を用いて、この機械と月のつながりの証拠をさらに多く浮き彫りにしている。

オーパーツ「アンティキティラ島の機械」の謎を解明か!?太陰暦を採用していた可能性
(画像=アンティキティラ島の機械 「The Debrief」の記事より、『TOCANA』より 引用)

 2000年間水中にあっただけに、このアンティキティラ島の機械を分析するのは容易なことではない。

 X線分析のデータに基づき、ウォーン氏とベイリー氏はベイズ統計を使用してリングの穴の数を算出し、その数は354または355である可能性が最も高いことを導き出した。

 太陰暦は通常354日であることから、アンティキティラ島の機械は太陰暦で使われる354日を1年として計算していた可能性が大いに高まったのだ。

 この新たな分析では穴の配置が並外れて正確であることも明らかになった。平均半径の変動はわずか 0.028mmで、アンティキティラ島の機械の製作者が用いた驚くべき技術を物語っている。

「アンティキティラ島の機械と、ギリシャの職人がそれを作るために注いだ労力と注意力に対する新たな認識が生まれました。穴の配置の精度には、非常に正確な測定技術と、穴を開ける信じられないほど安定した手が必要だったでしょう」とベイリー氏は語る。

 一方、ウォーン氏は「インディ・ジョーンズが作ったものほど超自然的な壮観さはないものの、アンティキティラ島の機械に関する私たちの研究結果が、この驚くべき装置がギリシャ人によってどのように作られ、使用されたかについての理解を深めるのに役立つことを願っています」と声明で述べている。

 2200年前に作られたアンティキティラ島の機械はいったいどのような技術が手がけたものなのか。古代の先進文明の謎に迫る重要なヒントになることを期待したい。

参考:「IFLScience」、「The Debrief」ほか

文=仲田しんじ

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提供元・TOCANA

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